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「120度」変わった浦和レッズ。リカルド・ロドリゲス体制の「変化」を考える

2021.03.09

徳島ヴォルティスポジショナルプレーを志向して4シーズン目でJ1昇格を勝ち獲ったリカルド・ロドリゲス監督。そのスペイン人監督を新指揮官に据えた浦和レッズはどう変わったのか? 開幕2試合を終えた段階で見えてきた「変化」をサッカーライターの清水英斗氏に分析してもらった。

 リカルド・ロドリゲス監督が率いる2021年の浦和レッズは、スタイルが120度変わった。

 180度変わった、とまでは思わない。リトリート時に[4-4-2]で構えるゾーンディフェンスは、昨季の大槻毅監督がキャンプから集中して取り組んだ課題であり、守備のベースは今季も継続している。

 ただし、それ以外はほとんど変わった。特に大きいのはビルドアップの変化だ。攻撃時は[4-2-3-1]の基本配置から、相手の特徴を見ながら、CB2枚の隙間にボランチが下りて3枚回しにチェンジし、その分、SBを高い位置へ送り出す。そのSBに押し出されてサイドMFが中へ入り、また、そのサイドMFに押し出されてトップ下がボランチ周辺に下がり、中継役になる。ぐるぐると、最後尾のポジションチェンジから始まるローテーションが前線にも波及し、相手のマークをかく乱していく。

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戦術浦和レッズ

Profile

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』『日本サッカーを強くする観戦力 決定力は誤解されている』『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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