SPECIAL

室屋成への「スシの国」発言をドイツ人ジャーナリストはどう受け止めたのか。ドイツ社会の「差別意識」を解説

2021.04.15

日本でも大きく報じられることとなったドイツのハノーファー所属、室屋成に対するTVコメンテーターの「スシの国」発言。この問題を、長らく現地メディアで活動してきたドイツ人ジャーナリストはどう受け止めたのか。footballistaでコラムを連載中のダニエル・テーベライト氏に、ドイツ社会の差別意識などを含めた背景事情を伝えてもらう。

 「サッカー国」と言われるドイツでも、パンデミックの最中にある現在、サッカーの試合はやはり“トリビア”の一つでしかない。しかし、それでも時に、スポーツ界での議論が社会的に重要なテーマと接触することがある。

 先月、放送局『スカイ』のコメンテーターであるヨルク・ダールマンがハノーファーの試合中継中、試合終盤に室屋成がシュートを外したシーンで「これがハノーファーでの初ゴールになっていただろうに。最後に得点を決めたのは、スシの国でだった」と発言したのは、まさにそれだった。……

残り:2,412文字/全文:2,810文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

ハノーファー人種差別室屋成文化

Profile

ダニエル テーベライト

1971年生まれ。大学でドイツ文学とスポーツ報道を学び、10年前からサッカージャーナリストに。『フランクフルター・ルントシャウ』、『ベルリナ・ツァイトゥンク』、『シュピーゲル』などで主に執筆。視点はピッチ内に限らず、サッカーの文化的・社会的・経済的な背景にも及ぶ。サッカー界の影を見ながらも、このスポーツへの情熱は変わらない。

RANKING