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3年前まではJFL所属の社会人選手だった男の躍動。柏レイソル・弓場堅真が貫き続けるチャレンジ精神の価値

2026.10.06

太陽黄焔章 第40回

ルヴァンカップ4回戦。柏レイソルはガンバ大阪との壮絶な一戦を、延長戦の末に5-4というスコアでモノにする。その決勝点を挙げたのが弓場堅真。3年前までJFLのHonda FCでプレーしていた25歳は、着々と戦うステージを上げながら、今はJ1の舞台でも存在感を確実に高めつつある。

壮絶な一戦の勝利を引き寄せた劇的な決勝点

 細谷真大がボールを奪った瞬間、すでに弓場堅真は左サイドからゴール前へスプリントを開始していた。

 「真大が奪う前に、もうあの辺りにはいて、奪った瞬間に目が合ったので、良い立ち位置にいたところに真大が良いボールを出してくれました」

 細谷から送られたパスにタイミング良く走り込む。103分に左足を思い切り振って奪ったチームの4点目とは異なり、弓場は丁寧なインサイドキックでこのボールに合わせた。

 「インサイドでもっときれいに流し込めたら良かったです。ちょっと浮いてしまったので、そこは『頼む』という感じでした(笑)」

 4-4に追いつかれたわずか1分後、弓場のシュートがゴールネットを揺らした。弓場は雄叫びを挙げ、仲間と歓喜の抱擁を交わした。

 ルヴァンカップ4回戦のガンバ大阪戦は、柏がリードを奪い、逆転され、追いつき、再び勝ち越してもまた追いつかれる壮絶な展開となった。この一戦で、途中出場の弓場は2得点を挙げ、最後は決勝点を叩き込んだ。

「結果はともあれ、チャレンジしないといけないと思いました」

 現在はJ1の舞台で躍動する弓場だが、わずか3年前まで、彼はHonda FCで社会人として働きながらサッカーをしていた。

 国士舘大学を卒業後、Honda FCへ加入。そこから2024年にFC今治へ移籍してJリーガーとなり、2026年にはサガン鳥栖へ。そして2026/27シーズンの開幕を前に、柏レイソルからオファーを受けた。

天皇杯3回戦のFC今治との古巣対決で先発フル出場を果たしていた弓場堅真(前列左から1番目)

 リカルド・ロドリゲス監督が望む選手には、ある条件がある。それは「良い選手であり、なおかつ自分たちのスタイルにマッチした選手」、そして「確かな人間性を持ち、チームのために戦える選手」である。つまり、どんなに実力のある選手であろうと、その条件をクリアしていなければ柏は獲得には動かない。

 その点は、リカルド監督、強化部、スカウトが情報を共有し、柏に必要な選手だと判断したからこそ獲得に動いたという経緯がある。

 しかし弓場にとっては、鳥栖に加入してからまだ半年でのオファー。当然、そこには葛藤があった。

 「鳥栖で力を付けて、自分の力を高めて、証明してJ1に上がるということもいろいろ考えました」

 そのまま鳥栖で力を蓄え、自らの力でJ1昇格を掴む道もあった。だが、弓場は柏から届いたオファーを受け、新しい環境へ飛び込むことを決断した。今年7月のチーム始動時、弓場は移籍の理由をこう語っている。

 「来年何があるか分からないですし、ケガをしてサッカーができなくなるかもしれない。調子が良くても悪くても、オファーが来るかどうかは保証されてない世界なので、チャンスがあれば飛び込む、僕はそれで少しずつカテゴリーを上げてきました」

 この言葉には、弓場が歩んできたキャリアが凝縮されているように思う。

 「結果はともあれ、チャレンジしないといけないと思いました」

初めてのJ1。自分で導き出した生き抜くための術

……

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Profile

鈴木 潤

2002年のフリーライター転身後、03年から柏レイソルと国内育成年代の取材を開始。サッカー専門誌を中心に寄稿する傍ら、現在は柏レイソルのオフィシャル刊行物の執筆も手がける。14年には自身の責任編集によるウェブマガジン『柏フットボールジャーナル』を立ち上げ、日々の取材で得た情報を発信中。酒井宏樹選手の著書『リセットする力』(KADOKAWA)編集協力。

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