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日本代表の[3-4-2-1]は4年後も武器になるのか。ウイングバック依存と五輪代表との「ねじれ」

2026.09.30

新・戦術リストランテ VOL.136

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第136回は、日本代表が採用する[3-4-2-1]と、U-21代表が採用する[4-3-3]の「ねじれ」に注目。ハイプレスとウイングバックの攻撃力を武器とする日本の[3-4-2-1]は、W杯のような強豪との対戦で大きな強みになりうる一方、その機能を支える人材への依存度も高い。三笘薫、中村敬斗、伊東純也、堂安律の4人に続く人材をどう育てるのか。そして森保一監督から大岩剛監督へとバトンが渡るA代表と五輪代表を、どうW杯につなげていくのか。日本代表の「現在地」と4年後の課題を考える。

[3-4-2-1]と[4-3-3]。同じコンセプト、異なるシステム

 ウルグアイに3-1、ベネズエラに2-1。日本代表がW杯後の新たなスタートとなった2試合に連勝しております。どちらも終盤のゴールで決着というけっこう際どい勝利ではありましたが、これまで積み上げてきたプレー基盤を多くの選手たちが共有できていることが感じられました。

 ウルグアイ戦は松木玖生と塩貝健人が得点。ベネズエラ戦では佐藤龍之介、齊藤俊輔の2シャドーが溌剌としたプレーぶりでした。若手の活躍は4年後へ向けて良い兆候です。

 アジア大会ではU-21代表がベスト4まで勝ち上がっています。23歳以下でオーバーエイジ枠もある大会でU-21なのは、言うまでもなく2年後の五輪を睨んでのこと。

 アジアカップ終了後に森保監督から大岩監督へのバトンタッチも決まっていますし、A代表と五輪代表、2つのチームの強化がW杯へつなげていくわけですね。

 ところが、2つのチームのシステムが異なっています。A代表は[3-4-2-1]、U-21代表は[4-3-3]です。

 システムが違うこと自体は大きな問題ではないように思われます。献身的なプレスバックを前提とした迅速なプレッシングなど、2つのチームは基盤となるコンセプトを共有できています。ただし、システムが異なることでの弊害と言いますか、どうなるのだろうと思うところもあります。

 例えば、アジア大会で活躍している横山夢樹はA代表に招集してもいい人材ですが、その場合に[3-4-2-1]システムのどこで起用するのでしょうか。[4-3-3]の左ウイングというU-21代表でのポジションはないですから、シャドーかウイングバックになると思いますが、どちらもフィットするイメージが湧きません。

 大岩監督はパリ五輪用のチームを率いている時から[4-3-3]を採用していましたから、A代表でも[4-3-3]とすれば横山のポジションはあります。しかしそうなると、SBやアンカーは誰になるのでしょう。現時点でやれそうな選手が限られてくる気がします。

 大岩監督のA代表がどんなシステムになるにせよ、選手が適応できれば済む話ではありますが、U-21で活躍した人材をそのままA代表に吸収できない。あるいは現在のA代表の選手たちが[4-3-3]に合わせなければならない。どちらにしても適応というハードルがあり、スムーズな移行にはなりにくいのではないでしょうか。

[3-4-2-1]という諸刃の剣。日本の強みが制約にもなる

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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