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もう、このチャンスは離さない。ベガルタ仙台・梅木翼、雌伏の時は今過ぎぬ

2026.09.04

ベガルタ・ピッチサイドリポート第40回

ベガルタ仙台にやってきて、3年目。献身のストライカーが今、眩い輝きを放っている。梅木翼。今季は開幕スタメンを勝ち獲ると、第3節、第4節と連続ゴールも記録。指揮官の森山佳郎監督からも高い評価を受けており、間違いなくブレイクの空気が漂う。ただ、この活躍に至るまでにたどってきた日々は、苦闘の連続。そんな時間をおなじみの村林いづみと振り返る。

加入3年目。微笑みかけているサッカーの女神

 「ヴァンラーレ八戸戦の最後に鼻をけがしちゃって……」。フェイスガードをつけた“バットマンスタイル”のベガルタ仙台・梅木翼選手が2試合連続ゴールを決めている。「視野はかなり狭くなるのでやりにくい。でもタカさん(中原貴之コーチ)が『俺は現役時代、それをしてヘディングでゴールを決めているぞ』って。煽られたので、やるしかないですよね」と白い歯を見せる。なんだか言葉に余裕まで感じる。

 仙台加入3年目、2026/27シーズンのJ2リーグ開幕。梅木はこれまでのシーズンにはない輝きを放っている。2024年途中にレノファ山口FCから完全移籍。圧倒的な空中戦の強さでゴール量産を期待された。しかし、現実は甘くなかった。思うような出場機会を得られず、結果はなかなか現れなかった。それでも、たゆまず取り組み続けた梅木に、今やっと、サッカーの女神が微笑みかけている。

 その奮闘を見つめ続けた片渕浩一郎ヘッドコーチは、現在の彼の状況をこう解説した。

 「ブレることなく、チームのためにやろうとしている姿は昨季から変わらないですが、自分のやれることをより積極的にやってくれている。例えば、攻撃であれば起点になるところとターゲットになるところ。守備ではファーストディフェンダーとしての役割や、全体のベクトルを向けるためのスイッチを入れること。自分にできることを色濃く出してくれている。その結果、ピッチに長く立っていて、ゴールを取ることにつながっている」

 「自分が点を取ることだけにフォーカスしていたら、こうはなっていなかったんじゃないかな。ゴールを取るために感覚は研ぎ澄ましてきたと思いますが、彼が何か“チームの一つのピースとしてやれることをやろう”としていることが、好循環を生み出しているように思います」

 チームのために献身的な働きを見せる彼の前に、ボールが転がる。信じているから、そこにいて、決めることができている。では、本人の実感はどうなのだろうか。

Photo: Idumi Murabayashi

「誰でもできるが、一番きつい仕事」を引き受ける。強みは圧倒的なプレーの“量”

――開幕戦で先発に抜擢され、第3節・ヴァンラーレ八戸戦、第4節・テゲバジャーロ宮崎戦と連続でゴールを決めています。チームの勝利に貢献できている現状はどう捉えていますか?

梅木「開幕前のキャンプからですが、今シーズンはすごくメンタル的にも前向きに、良い状態で取り組めているかなと思っています」

――ピッチの中で様々な強みを出しているように感じます。ご自身の強みは、どのように理解していますか?

梅木「一番は攻守に渡って、“量”というところで違いを出したい。それができているということが一番の自分の強みかなと思います。背後に動き出す回数もそうですし、単純に運動量もそうです。あとはプレスで周囲にスイッチを入れるところも含めて、いろんなところの回数、量を増やしていきたいなと思っていて、それが今良い形につながっているかなと思っています」

――本当に惜しみなくハードワークしています。試合では相当疲れるのではないかと思います。

梅木「はい、きついですね(笑)」

――きつい中でもやり続けられたからこそ、先発を勝ち取り、ゴールを決めることもできていますね。

梅木「はい。技術の部分で僕が他の選手に勝ることはそんなに多くない。それ以外のところで戦わないといけないと思います。走ることに関しては、『誰でもできるけど一番きついところ』。それを武器にすることで相手にとっても嫌な選手になると思いますし、味方を助けられる選手になれると考えています」

Photo: Vegalta Sendai

――どんなボールも収めてくれますし、ヘディングも強い。しかし、今シーズンのゴールはまた違う形で積み重ねています。

梅木「そうですね。ヘディングでゴールを取れたら理想的ですが、いろんな形でゴールを取れるということがストライカーとして大事な部分になってくると思います。なので、いろんな形で取りたいですね」

――主に岩渕弘人選手と2トップを組んでいます。「前の2人がしっかりプレスをかけて、ハードワークしてくれるからこそ、結果が出ている」と森山監督も絶賛していますが、2人の関係性はいかがですか?

梅木「2人の距離感は良く、お互いを見ながらプレーできていると思います。そこに(中島)元彦や(荒木)駿太が入って、4人でもいい距離感でプレーできている。攻撃のところはすごく良いかなと思っています。守備に関しては、僕とブチ君(岩渕)でプレス、スイッチを入れることなど、すごく意識してやっているので、それが周りの選手に良い影響を与えているのかなと思います」

――夏場の戦いで一番きつい時間にも、2人とも何度でも守備に行きます。かなりタフな戦いです。

梅木「そうですね。僕らが相手を疲れさせることができれば、交代で入ってきた選手もすごくやりやすいと思います」

左から中島元彦選手、マテウス・モラエス選手、梅木翼選手、岩渕弘人選手(Photo: Vegalta Sendai)

気持ちでねじ込むゴール。どんな形でも1点は1点

――ここまでの2試合、梅木選手はチームを勢いづけられる試合序盤に得点しています。なぜこの時間帯に決められていると思いますか?

……

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Profile

村林 いづみ

フリーアナウンサー、ライター。2007年よりスカパー!やDAZNでベガルタ仙台を中心に試合中継のピッチリポーターを務める。ベガルタ仙台の節目にはだいたいピッチサイドで涙ぐみ、祝杯と勝利のヒーローインタビューを何よりも楽しみに生きる。かつてスカパー!で好評を博した「ベガッ太さんとの夫婦漫才」をどこかで復活させたいと画策している。

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