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J1百年構想リーグ優勝を目指して「スタートダッシュ」へ。山原怜音の試行錯誤、谷口栄斗の好感触…川崎Fの「合わせていく作業」

2026.01.29

フロンターレ最前線#24

「どんな形でもタイトルを獲ることで、その時の空気感を選手に味わってほしい。次の世代にも伝えていってほしいと思っています」――過渡期を迎えながらも鬼木達前監督の下で粘り強く戦い、そのバトンを長谷部茂利監督に引き継いで再び優勝争いの常連を目指す川崎フロンターレ。その“最前線”に立つ青と黒の戦士たちの物語を、2009年から取材する番記者のいしかわごう氏が紡いでいく。

第24回は長谷部監督、小林悠、三浦颯太、山原怜音、谷口栄斗、脇坂泰斗の証言とともに、J1百年構想リーグ優勝を目指すチームの「合わせていく作業」を炙り出す。

 2年目を迎える長谷部フロンターレは、1月6日の麻生グラウンドで始動した。初日のトレーニング風景は独特の雰囲気が漂うものだが、明るい雰囲気の中、選手たちは軽快な動きを見せて汗を流している。

 今オフ、川崎フロンターレは積極的な補強を敢行した。新たに加わった選手は9人。東京ヴェルディから谷口栄斗、アビスパ福岡から紺野和也、ファジアーノ岡山からスベンド・ブローダーセン、清水エスパルスから山原怜音を獲得。新卒選手も含めた即戦力が多く、チームの競争が激しくなることが期待されている顔ぶれだ。

 2月から始まる明治安田J1百年構想リーグで、目指すは優勝。年間ではなく短期決戦となるため、初日の練習後、長谷部茂利監督は「スタートダッシュ」をポイントに挙げている。

 「比較的寒い時期からスタートするので、試合の入りでいい温度感で入れるかどうかが大事です。短い期間でリーグが終了するという意味ではスタートダッシュは大事ですし、その流れのまま終盤にもっていけるかどうか。途切れずに最後まで走り抜けられるかどうか。半年と1年ではだいぶ違うので、そこは大きく違うと思います」

 同じように、「スタートダッシュ」を口にしていたのが、ベテランの小林悠である。在籍17年目を迎えた38歳には2014年から2016年まで行われたJ1の2ステージ制の経験がある。川崎Fは2016シーズンに優勝争いを演じているが(年間勝ち点2位)、この年の小林はリーグ戦7試合連続ゴールを記録するなどその原動力となった。今回のハーフシーズンも、序盤戦の重要性をよくわかっているようだった。

 「スタートから行ければそのまま行けるイメージもあるし、1勝の重さがある。半分しかないので、勝ち点3の重みがよりかかかってくると思う。短いので、スタートからみんなで行けるようにしたい」

「誰と組むかで変わってくる」(三浦)左サイドの縦関係

 その後、チームは12日から24日まで沖縄県国頭郡恩納村でキャンプを行い、27日からは麻生グラウンドで練習を再開している。開幕まで2週間を切った中、チームの仕上がりを選手はどう感じているのだろうか。加入3年目の三浦颯太が言う。

 「まだまだだなというところもありますけど、進んでる方向はみんなそろってると思いますし、ここから突き進めていくのと、みんながコンディションを上げることが大事かなと思います」

 その三浦が一角を担う今季の両サイドは、小さくない変化がチームに生まれそうなポジションだ。左サイドの縦関係は、マルシーニョだけではなく、昨季のJ1日本人得点王である伊藤達哉と組む選択肢もある。そこで攻撃の変化をどうつけるかは注目点でもある。

……

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Profile

いしかわごう

北海道出身。大学卒業後、スカパー!の番組スタッフを経て、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の担当記者として活動。現在はフリーランスとして川崎フロンターレを取材し、専門誌を中心に寄稿。著書に『将棋でサッカーが面白くなる本』(朝日新聞出版)、『川崎フロンターレあるある』(TOブックス)など。将棋はアマ三段(日本将棋連盟三段免状所有)。Twitterアカウント:@ishikawago

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