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新カンプノウはいつ完成するのか?もう「やらないと困る」のに全然間に合ってない!

2025.09.21

サッカーを笑え #51

914日のリーガ第4節バレンシア戦、そして21日の第5節ヘタフェ戦も結局、収容人数6000人のヨハン・クライフ・スタジアムで開催されることになった。バルセロナのカンプノウ帰還はいつになるのだろうか? まだまだ真っ最中だという改修工事の進捗具合と、現地で報じられている完成までの“希望的観測”をお伝えする。

 新カンプノウはいつオープンするのか? 約束を破り続けた結果、もう誰もわからない大変な状況になっている。

完成予想図

 直近では先週14日のバレンシア戦でお披露目のはずだったが、9日になって断念された。

 直前(試合5日前)でのキャンセルだから完成寸前なのかと思わせるが、そうではないようだ。YouTuberによって上げられたビデオ、https://www.youtube.com/watch?v=dLA2xNE-UZM(10日にアップされたもの。撮影日は不明)、https://www.youtube.com/watch?v=Z7J9vgHiBEI(バレンシア戦当日に撮影されたもの。VIPゾーンに走るネズミが映り込んでいてファンの嘆きを買っている)を見ると、まだ全然工事の真っ最中だ。週末も休まず、24時間、急ピッチで工事が行われていると言われていたが、働く人もまばらである。

 クラブ側は「人を入れるための役所の許可が下りない」と主張しているが、そりゃそうだろう。あちこちに巨大クレーン車が立てられ、ミキサー車が行き来しており、建築資材も置かれたまま。グラウンドには綺麗な芝生が敷かれているからプレー可能だが、照明もない(ように見える)し、電光掲示板もない。1階席と2階席は完成しているようで、あそこで観戦はできるだろうけど、一番肝心なお客さんの出入りのための安全な動線が確保されていない。役所にとっては安全確保が第一。“お役所仕事のせいで遅延した”というわけではないのがわかる。これ、ギリギリで断念するまでもなく、全然間に合ってないじゃん。

最初の約束は去年の11月だった

 旧カンプノウで最後の試合が行われたのは、2023年5月28日。が、着工は同年11月にズレ込み、すでにスタート時点から遅延が始まっていた。

……

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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