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カズより1歳上!58歳ロマーリオ(贅肉なし)の現役復帰にワルを好む大衆の爆笑と期待

2024.05.12

サウダージの国からボア・ノイチ 〜芸術フットボールと現実の狭間で〜 #4

創造性豊かで美しいブラジルのフットボールに魅せられ、サンパウロへ渡って30年余り。多くの試合を観戦し、選手、監督にインタビューしてきた沢田啓明が、「王国」の今を伝える。

footballista誌から続くWEB月刊連載の第4回(通算181回)は、ラストマッチから約14年半の時を経て、政治家兼クラブ会長兼選手となったブラジル代表(通算70試合55得点)のレジェンドについて。

「監督がPK蹴らせないと言ったらクビ」「俺にパスを出さない選手もクビ」

 かつてバスコダガマ、バルセロナ、ブラジル代表などでゴールを奪い続けて「世界サッカー史上最高のストライカーの一人」と謳われ、2009年に43歳で引退すると政治家に転身して現在は上院議員を務めるロマーリオが4月、自身が会長を務めるリオデジャネイロ州2部のクラブ、アメリカFCで58歳にして現役へ復帰した。

 1966年1月29日生まれで、ポルトガル2部オリベイレンセでプレーする元日本代表FW三浦知良より1歳1カ月年上。世界最高齢のプロ選手となった(はずだ)。

 本人は、その動機を「(チームに在籍する)長男と一緒にプレーする夢を実現し、今月18日に開幕する州選手権2部で優勝して1部へ昇格したいから」と説明する。

 長男の名はロマリーニョ(小さなロマーリオ、の意)。これまで中小クラブを渡り歩いてきた30歳のFWで、通算67試合に出場して2得点。2016年にはJ2のツエーゲン金沢(現J3)に在籍したが、5試合で無得点だった。

 ロマーリオは4月25日、チーム練習に初参加してシュート練習、ミニゲームなどで1時間余り体を動かすと、「メチャクチャに疲れた」と苦笑い。その後のレポーターとのやりとりが、いかにもこの男らしかった。

……

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Profile

沢田 啓明

1986年ワールドカップ・メキシコ大会を現地でフル観戦し、人生観が変わる。ブラジルのフットボールに魅せられて1986年末にサンパウロへ渡り、以来、ブラジルと南米のフットボールを見続けている。著書に『マラカナンの悲劇』(新潮社)、『情熱のブラジルサッカー』(平凡社新書)など。

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