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キスの次はカネ。汚れたスペイン連盟、あの前会長に逮捕状

2024.04.01

サッカーを笑え #8

昨年8月20日の強制キス事件で失脚したスペインサッカー連盟の前会長に、降って湧いたもう1つのスキャンダル。すでに7人の逮捕者が出ているという汚職疑惑の詳細、争点をお伝えする。

女子W杯での「脅迫」「性加害」に懲役2年半求刑

 日本で戦後最年少のサッカー協会会長がにこやかに抱負を語っている一方で、スペインではルイス・ルビアレス前会長に逮捕状が出た。Jリーグ出身の47歳が爽やかな風を吹き込むことが期待される一方で、リーガエスパニョーラ出身の46歳が吐き散らした毒は今も暗雲となり立ち込めている。日本時間3月28日にも、連盟スポーツディレクター、アルベルト・ルケとマーケティング担当の職務停止が発表された。

 いったいいつからこんなことになってしまったのか?

 連盟が抱えているスキャンダルは2つある。

 1つは、有名なW杯表彰式での女子選手への強制キス事件

 2人が停職処分となったのは、この件で検察に1年半の求刑を受けたからだ。容疑は脅迫罪。「キスが合意の上である」との声明を出すよう脅したとされる。出せば、引退後に連盟内のポストが与えられるという「アメ」と、出さないとキャリアが行き詰まるという「ムチ」が使い分けられた。同じ容疑で、ホルヘ・ビルダ当時スペイン女子代表監督、現モロッコ女子代表監督も1年半の求刑を受けた。

 一方、ルビアレス前会長への求刑は2年半。脅迫の容疑に性加害の容疑が加えられた。前会長が主張した「合意の上」は女子選手本人から否定されるなど証拠が乏しく認められていない。……

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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