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「ルイス・エンリケFC」の大勝劇が生み出した2つの良好な流れ【スペイン 7-0 コスタリカ】

2022.11.24

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スペインが大量7ゴールでコスタリカを粉砕。代表メンバー招集方法に賛否両論が取り沙汰されてきたルイス・エンリケ監督だったが、この大勝劇により選手からの信頼は絶対的なものとなったようだ。

 こんなスコアは親善試合でも見たことがない。何もかもがうまくいき、不安だった点も解消できた。世界の頂点に踏み出す“テストマッチ”としては最高だった。

 ドイツ対日本の結果が教訓となっていたのは明らかだった。どんなにボールを支配しチャンスの山を築いても1-0のままで勝った気になるのは危険だ。もう1つのビッグサプライズ、アルゼンチン対サウジアラビアもまったく同じ展開だったではないか。

コスタリカ、想定外の5バック変更

 よって、貪欲に点を取りに行った結果、30分ほどで3-0。実質的に勝敗が決したここで、コスタリカはやっと5バックにしてジョルディ・アルバの侵入を喰い止めた。

3点差をつけられ、コスタリカは5バックへのシステム変更を行った

 少なくとも1-0の時点で5バックにすべきだった。点を取りに行く必要がなくパスを回しているだけなら、スペインは世界一のチームである。1点差であれば、いかにコスタリカが引き籠り、ボールをプレゼントされていても、あそこまで余裕を持ってプレーはできなかったはずで、終盤になればドイツとアルゼンチンの悪夢が頭をよぎり、余裕が油断と焦りに変わる可能性は十分にあった。

 試合前、スペインではコスタリカは5バックで来るのではないか、という観測があった。が、蓋を開ければコントレラスとキャンベルが2トップの[4-4-2]。ここから試合途中で5バックに変更したことで、キャンベルが右サイドに流れ、攻め上がったジョルディ・アルバ追う羽目になった。キャンベルは快速カウンターで2014年ベスト8進出に貢献したヒーローだ。カウンター時の切り札である彼を守備に専念させるのは明らかに損な取引だったのだが、それだけ5バックへの変更を想定していなかったということだろう。……

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。