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激震に次ぐ激震のバルセロナ。会長にもスキャンダルが発覚

2020.02.24

 エルネスト・バルベルデ前監督の電撃解任、「選手の一部が監督を信用していなかった」というエリック・アビダルSDの爆弾発言、「一部とは誰かはっきりさせてほしい」というメッシの怒りの反発、ゴールよりもポゼッションを重視するかのようなキケ・セティエン監督のプレースタイルに対する戸惑い、デンベレの重傷で慌ててマルティン・ブライトバイテを獲得――。2020年に入ってゴタゴタ続きのバルセロナだが、バルトメウ会長の進退が問われるかもしれない巨大スキャンダルが発覚した。

 それは、バルセロナが『i3ベンチャーズ』という会社を使ってデジタル空間の情報操作を行い、バルトメウ会長のイメージアップを図ると同時に、ライバルとみなす者のイメージダウンを図っていた、というもの。その手口は、『 i3ベンチャーズ』社がフェイスブックに6つのアカウントを開設し、そこに会長の好感度を上げたり、反会長派を攻撃したりする情報や意見を載せていく、というものだ。

証拠は6アカウントのデータ

 こんなお手軽で単純極まりないやり方で誘導や扇動ができてしまう、というのがデジタルメディアの恐ろしさだろう。

 スクープ元のラジオ局『カデナ・セール』は、『 i3ベンチャーズ』社がバルセロナに提出したリポートを証拠として公開している。それには6つのアカウントのファン数やリンク数などのデータの他に、「バルトメウ会長に関するデジタルメディアによる言及具合」とか「何のニュースに関連する言及だったか」とか「読者の会長への好意的なコメントは29%だった」といった、会長の印象度に関する分析も盛り込まれている。

 昨年5月1日から15日までは特に念入りな調査が行われているが、これは同7日にUEFAチャンピオンズリーグのリバプール戦での逆転敗退というドラマがあったからだ。

関係者へのネガティブ発言も……

 このリポートだけを見ると、バルトメウ会長が人気度をモニタリングさせただけ、と言えないこともない。報道後、ただちに同社との契約を解除したバルトメウ会長は「誰かを攻撃するサービスを雇ってはいない」とコメントしてもいる。

 だが、もし『 i3ベンチャーズ』社がアカウントの管理者、つまり掲載内容の責任者であるとすれば、彼は非常に苦しい立場に追い込まれることになる。というのも、6つのアカウントには「管理者の意見」という形でピケやメッシ、グアルディオラ、会長選の対立候補者らへのネガティブな発言が披露されているからだ。

 管理者しか知り得ないデータが載っていることから、管理者ではないかと疑われている『i3ベンチャーズ』社は、アカウント開設の事実は認めたものの「管理者は別にいる」と主張している。


Photo: Getty Images

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スキャンダルバルセロナピケメッシ会長監督

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。