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給水から選手の栄養を徹底管理。 ペップも信頼を寄せる敏腕栄養士

2019.12.03

 11月29日、マンチェスター・シティはスポーツ科学部門の取り組みをYouTubeの公式チャンネルで紹介。指揮官ペップ・グアルディオラも厚い信頼を寄せる栄養士の存在が明かされている。

 「(シティに)やってきたペップはまず(選手たちに)こう言ってくれたんです。『私にとって食事はとても重要なんだ。栄養士のトムはいつもここにいてくれる。摂るべきものと摂るべきではないものを教えてくれるよ』と。おかげで栄養管理が私たちの文化として根づきました」

 こう話すのは、スポーツ科学部門の一員であるトム・ペリーだ。トムはペップが監督に就任する前からシティで働いているスポーツ栄養士で、彼の指導の下セルヒオ・アグエロも食生活を改善したという。エースは当時の食事改革をこう回想する。

 「ケガに悩まされ続ける中で、14-15シーズンから栄養管理に気を配り始めたんだ。例えばかつては赤肉を食べ過ぎていたけど、かなり減らすことにしたよ」

13-14シーズンは4度にわたるケガで16試合を欠場していたアグエロ(Photo: Getty Images)

 アグエロの母国アルゼンチンでは、牛肉などの消化されにくい赤肉を使った料理が盛んで夕食を摂る時間も遅い。そこでトムは消化・吸収されやすい鶏肉や魚肉に代替することを提案。睡眠時の胃もたれを解消し、アルゼンチン代表FWを快眠に導いたのだった。このように選手各々の食習慣に合わせ、栄養管理を助けていくのが彼の仕事だ。

選手の汗まで分析する徹底ぶり

 さらにトムはピッチ内の栄養管理も担当。特に選手が練習や試合中に行う「給水」には細心の注意を払っている。

 「水分補給は基本です。ゲータレード(世界的に有名なスポーツ飲料)のスポーツ科学研究所と選手の汗を分析しています。(練習で)選手が失った水分量と塩分量を計測しているんです。水分や塩分をあまり失わない選手と、汗に塩分を多く含み水分を失いがちな選手では給水の必要性が大きく異なるんです」

 一流選手でもそれぞれの体に合った水分補給を続けることは難しく、イルカイ・ギュンドアンも「給水が不十分だと、いつもの調子は出ない」と語る。だからこそトムは前述の分析を用いて改善が必要な選手を発見し、アドバイスを送っているのだ。

 さらに試合では、プレーが止まった時に給水を呼びかけることはもちろん、貴重な休憩時間であるハーフタイムに選手一人ひとりに合わせた計画的な栄養補給を実施しているという。その理由を明かしたのは、スポーツ科学部門の責任者サム・エリスだ。

 「選手たちに重要な情報を渡すペップが来る前に、彼らを落ち着かせ、心拍数を下げ、呼吸を穏やかにさせて回復と栄養補給に専念させます。血糖値が下がると集中力も下がってしまうんです。脳にエネルギーが回っていなければ、戦術変更や分析などをめぐる重要なメッセージが選手の頭に入っていきませんからね」

 ペップと選手たちをピッチ内外で支えるスポーツ科学部門。昨季は前人未到の国内3冠を達成するなど、近年成功を収めているシティを語る上で、トムやサムをはじめとする裏方の存在も欠かせないだろう。


Photos: Getty Images

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ペップ・グアルディオラマンチェスター・シティ

Profile

足立 真俊

1996年生まれ。ウィスコンシン州立大学でコミュニケーション学を専攻。卒業後は外資系OTAで働く傍ら、フットボリスタを中心としたメディアで執筆・編集経験を積む。2019年5月より、footballista編集部の一員に。プロフィール写真は本人。Twitter:@fantaglandista