文 木村浩嗣
スペイン2部リーグ、やっと終了
1部リーグ終了から遅れること3週間、スペインの2部リーグが9日にやっと終了した。チャンピオンズリーグのファイナルが終わって代表戦や親善試合が行われ、1部リーグのクラブも仲間の記者連中も夏季休暇に入っている最中なのに、まだやっていたのだ。8月に開幕し、足かけ11カ月のロングランだった。
他国の2部リーグに比べても異例の遅さである。イングランドのチャンピオンシップは5月5日、ドイツのブンデスリーガ2部は5月19日、イタリアのセリエBは5月11日、フランスのリーグ2は5月17日に終了している。
最終結果は1位オサスナと2位グラナダが自動昇格。3位マラガ、4位アルバセーテ、5位マジョルカ、6位デポルティーボが3つ目の昇格枠を争うプレーオフに回り、19位マハダオンダ、20位ヒムナスティック、21位コルドバ、以前紹介した22位レウスが2部Bへ降格することになった。
そう、実はまだ昇格プレーオフが残っているのだ。12日から3位対6位、4位対5位が対戦し、勝ち残りチームが23日に対戦する日程。他国でも昇格プレーオフは行われており、イングランドとドイツでは先月27日に、イタリアでは6月2日に終了済みで、フランスの入れ替え戦はやはり2日に終了。リーガ2部の遅さは際立っている。
文字通り“夏まで熱戦”、なぜ?
なぜこんなことになっているのか?
まずは「22」というチームの多さが原因だ。
半端なチーム数になったのには理由がある。95年8月、リーガが、財政が悪化していたセビージャとセルタの2部降格を発表。代わりにアルバセーテとバジャドリーが追加昇格した。ところが、両チームのファンが抗議デモを繰り返すとリーガは態度を豹変させ、降格を取り消した。このドタバタで95-96と96-97の1部リーグが22チームで開催された後、20チームに戻すために4チームが降格。そのしわ寄せで97-98以降、2部リーグは22チームとなっているのだ。
次に消化ペースと開幕の遅さ。
スペインより大所帯である24チームのイングランド・チャンピオンシップは2週間早く開幕し、週中も試合をして日程を圧縮している。対して、スペインの2部は1週間1試合ペースを維持。1部リーグが週中開催をしているのだから2部もできないことはないのだが、週2試合よりも長期化の方を選択してきた。
かくして、すでに夏のスペインで文字通りの熱戦が続いており、たとえばレアル・マドリーのプレシーズンスタートは7月8日だから、最終昇格チームはほとんど休めないまま、新シーズンに突入せざるを得ないのだ。
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