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EURO2020で活躍のウクライナ代表FWヤレムチュク、市場価格が高騰

2021.06.22

 ベルギーのメディア『Le Soir』が、現在EURO2020で2得点と活躍中のウクライナ代表FWロマン・ヤレムチュクの移籍金高騰化を報じている。

200万ユーロでベルギーへ

 ウクライナ西部リビウ出身のヤレムチュクは、カルパティ・リビウ、ディナモ・キエフの下部組織を経て2013年にディナモ・キエフのセカンドチームでプロデビューを飾ったが、分厚い選手層を抱えるトップチームでは出場機会がなく、2016年に中堅チームのオレクサンドリアへ期限付き移籍した。

 2017年7月にディナモ・キエフから200万ユーロ(約2億7000万円)の移籍金でヘントへと移籍。久保裕也(現FCシンシナティ)とともにチームの得点源として活躍し、加入年には9得点を決め、シーズン終了後にはウクライナ代表に初選出された。

 2020-21シーズンは監督交代3度という混沌のシーズンとなったヘントだが、自身初のシーズン20得点を記録した。プレーオフ2では同じウクライナ代表のMFロマン・ベズスとのコンビでゴールを量産し、翌シーズンのUEFAカンファレンスリーグ出場権を獲得する原動力となった。190cmと恵まれた体格ながら、鋭い飛び出しとシュートテクニックを兼ね備えており、ベルギーリーグでは有数のCFとして定着している。

EUROで市場価値は10倍以上に

 ドイツのメディア『Transfermarkt』によると、ヘントでの4年間での活躍とウクライナ代表でのレギュラー定着により、ヘントに加入した当時の市場価値が100万ユーロに満たなかったヤレムチュクの評価額は1500万ユーロ(約19億6000万)まで上昇している。

 EURO2020の本大会では、キャプテンを務めるアンドリー・ヤルモレンコとともにオランダ戦、北マケドニア戦と2戦連続でゴールを決めたことにより、ヤレムチュクは強い関心を持たれているようだ。ラツィオ、アーセナル、ウォルバーハンプトンらが興味を持っていると報じられており、現在ヤレムチュクを獲得するには2500万ユーロ(約32億7000万)以上の移籍金が必要とされている。

 今後、EURO2020でヤレムチュクが多数のゴールを決めることになれば、昨年夏にヘントがフランスのリールにカナダ代表FWジョナサン・デイビッドを売却した際に記録したクラブ史上最高の売却額、2700万ユーロ(約35億円)を上回る可能性は高い。ヤレムチュクの本大会での活躍により、ヘントに莫大な移籍金収益をもたらすことになるだろう。

マリノフスキーもベルギー経由で台頭

 2014年のウクライナの政変、ロシアによるクリミア侵略によって国内経済が低迷し続け、ディナモ・キエフとシャフタール以外のクラブが資金難に陥る中、ウクライナの若手選手がベルギーへと活躍と成長の場を求める傾向が目立っている。

 2020-21シーズンのセリエAでアシストランキング首位だったルスラン・マリノフスキーも、シャフタールで出場機会のない若手の1人だったが、政変をきっかけに2015年からヘンクへと活躍の場を移した。

 2018-19シーズンは伊東純也、レアンデル・トロサール(現ブライトン)、ヨアキム・メーレ(現アタランタ)らとともに9季ぶりの優勝に大きく貢献し、1600万ユーロを置き土産にアタランタへとステップアップを果たした。

ヘントはすでに後釜を確保

 ベルギーの各メディアは、4年間チームを牽引してきたヤレムチュクの放出を確実視している。ヘントは6月11日にズルテ・ワレヘムから、今季20得点を記録した元U-21ベルギー代表FWジャンニ・ブルーノを200万ユーロで獲得している。

 7月22日からカンファレンスリーグの予選2回戦でノルウェーのバレレンガと対戦することもあって早い段階から積極的な補強を行い、昨季のオーステンデの躍進を支えたデンマーク人MFアンドリュー・ヒュルサガー、元U-21ベルギー代表MFジュリアン・デ・サールなどの即戦力をすでに確保している。

 ハイン・ファンハーゼブルック監督の下で7季ぶりの優勝を狙うヘントにとって、大エースのヤレムチュクは不可欠な存在だが、莫大な移籍金を確保するチャンスは逃すことができない。カンファレンスリーグが始まっている頃には、ヤレムチュクはバカンスへ出向いているか、もしくはすでに移籍をしていることだろう。


Photo: Getty Images

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ディナモ・キエフヘントロマン・ヤレムチュク移籍

Profile

シェフケンゴ

ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。

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