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将来的には「新たな指標の開発」も。東大ア式蹴球部エンジニアリングユニット改め『UTokyo Football Lab.』が目指すもの

2024.05.07

日本と世界、プロとアマチュア…
ボーダーレス化が進むサッカー分析の最前線
#11

日本代表のアジアカップ分析に動員され注目を集めた学生アナリスト。クラブの分析担当でもJリーグに国内外の大学から人材が流入する一方で、欧州では“戦術おたく”も抜擢されている今、ボーダーレス化が進むサッカー分析の最前線に迫る。

第11回では、テクニカルユニットが分析分野で一目置かれる存在となった東京大学ア式蹴球部が2023年に新たに創設した、東京大学ア式蹴球部エンジニアリングユニットへの取材を実施。創設の狙いや掲げるビジョン、活動内容について、創設メンバーである王方成さんと染谷大河さんに語ってもらった。

「優秀な人材をサッカーと結び付ける橋渡しに」

――本日はお時間いただきありがとうございます。最初に、この東大ア式蹴球部エンジニアリングユニットを創設した理由・経緯についてうかがいます。ア式蹴球部にはすでにテクニカルユニットがありましたが、どのような違いがあるのでしょうか?

 「テクニカルユニットは2011年に創設され、現場の分析や対戦相手のスカウティングなど、より現場に近い仕事がメインとなっています。また、在籍している全員が学部生です。それに対して、エンジニアリングユニットは研究開発やデータ分析、デバイス開発等を行う組織として2023年1月に創設されました。所属するのは学部1年生~修士・博士課程の学生の他、外部の学生なども含め20数名ほどで活動を行っています。

 またテクニカルユニットとの大きな違いとして、近いうちに東大の運動会の直下に所属する組織となり、名称も『UTokyo Football Lab.』に変わります。私たちとしては毎日部活に来ることはできないけれども、技術を持っていてサッカー界への貢献に興味がある学生を引き入れたいと考えているのですが、学部や修士の優秀なエンジニアというのはかなり忙しくしています。部活動となると制約が大きくなってしまいがちですが、そんな彼らでも活躍できるような組織を作るためにこのような形となりました」

――現場での分析ではなく、ピッチ外での開発等に注力する組織として創設されたのですね。活動に関して、どのようなビジョンをお持ちなのでしょうか?……

Profile

久保 佑一郎

1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。