BOOK

うつ病とサッカー

2018.12.07

元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録

模範的なエリートアスリートであり
成功の絶頂にいた彼は、なぜ自ら命を絶ったのか?
心の病は誰にでも襲いかかる。大事なのは社会の理解である。

これは悲劇の物語ではなく、うつ病の啓蒙書である


William Hill Sports Book of the Year受賞の傑作ノンフィクション



ロベルト・エンケの死によって、私たちは自分たちがうつについてほとんど何も知らないことに気づいた。私たちはうつについて話すことの困難さを突然自覚したのだ。ロベルトと同じように、私たちは自身のうつのこと、家族のうつのことは隠す方が良いと思っていた。(中略)ロベルトに死が解決法だという誤った考えを抱かせた病の強さとは何なのだろう? 彼のように繊細な人間が、愛した人たちや自分が身を投げた列車の運転手に苦痛を与えることを考えないとは、一体どんな闇を生きなければならなかったのだろう?
うつとともに生きるとは、いつでも再発し得ると考えながら生きるとは、どういうことなのか? 恐怖することを恐れるというのはどういうことなのか?
ロベルト・エンケは答えを見つけたがっていた。私ではなく彼こそがこの本を書くことを望んでいたのだ。

(序章より抜粋)


<プロフィール>
Robert Enke
ロベルト・エンケ

1977年8月24日、ドイツ・イェーナ生まれのサッカー選手。ポジションはGK。17歳で地元クラブとプロ契約を結び、1995年11月にデビュー。翌1996年に移籍したボルシアMGで1998-99シーズンに出場機会を得ると、シーズン終了後にポルトガルの名門ベンフィカへ引き抜かれて主力として活躍。2002年にはバルセロナ移籍を果たす。しかしレギュラー争いに敗れ、この時期に初めてうつ病を発症。一時はプレーすらできない状態に陥るが病気を乗り越え、2004年に移った母国のハノーファーで復活。代表デビューは、病気や娘の死といった私生活の影響もあり、29歳と遅咲き。それでも安定したプレーぶりを評価され、EURO(欧州選手権)2008後に念願の正GKの座をつかむも、2009年夏にうつ病を再発。同年11月10日に自ら命を絶った。享年32歳。優秀なGKであるだけでなく、慈善活動や動物愛護を熱心に行い、敵・味方問わず思いやる温かい人柄で知られた人格者の早過ぎた死を多くの人が惜しんだ。


<著者>
Ronald Reng
ロナルド・レング

1970年、フランクフルト生まれ。スポーツジャーナリスト、作家。エンケと友情を築いたバルセロナに10年間滞在。ドイツのメディアにスペインサッカーについての記事を提供。ドイツ年間最高のルポルタージュに与えられる賞を8度受賞。代表作に村の6部リーグのチームからプレミアリーグでプレーしたGKラース・リースの伝記『The Keeper of Dreams』がある。本作は彼の最後の作品で2011年のウィリアム・ヒル、スポーツブック賞(年間最優秀書籍に与えられる)を受賞した。


<訳者>
Hirotsugu Kimura
木村浩嗣

1962年2月22日生まれ、愛媛県出身。編集者、コピーライターを経て94年からスペイン・サラマンカへ。96年教育省公認スペイン語検定上級合格。98年と99年にスペインサッカー連盟のコーチライセンスを取得し、少年チームの監督を始める。06年9月に帰国し『footballista』編集長に就任。08年12月からスペイン・セビージャに拠点を移し特派員兼編集長となる。15年7月、編集長を辞しフリーに。趣味は映画(スペイン映画数百本鑑賞済み)、踊り(セビジャーナス)、おしゃべり、料理を通して人と深くつき合うこと。17年にユース指導を休止する一方、15年から3年連続でシッチェス・ファンタスティック映画祭を取材するなど映画関連の執筆にも進出している。


<書誌情報>

定価 :1,800円+税
発行 :ソル・メディア
発行日:2018年12月12日
仕様 :四六判/並製/528頁
ISBN :978-4-905349-43-3


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