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ミランは何をつかみ、インテルは何に苦しむのか。“ハロウィン・ダービー”で見えた両雄の課題

2026.11.02

現地時間10月31日開催の“ハロウィン・ダービー”は、ミランがインテルを3-1で下した。マイク・メニャンのビッグセーブが試合の流れを変え、右ウイングバックに起用されたディエゴ・モレイラが2アシストに加えて直接FKも決める圧巻の活躍。ルベン・アモリム監督が続けてきた試行錯誤にも、1つの答えが見え始めた。一方、首位から転落したインテルは、繰り返されるゲームの入りの悪さに加え、前線の機能不全という問題も露呈。ダービーの明暗を分けた要因と、勝者・敗者それぞれが抱える課題を分析する。

 開催日が10月31日だったことから「ハロウィン・ダービー」と派手に喧伝されたセリエA第10節、まだシーズンは序盤のうちとはいえ、順位表的に見れば結果の重要性は、とりわけミランにとっては決して低くなかった。インテルがここまで8勝1分(勝ち点25)で首位を走っていたのに対し、ミランは5勝3分1敗(勝ち点18)で5位。もしここで敗れれば首位との勝ち点差は10まで開き、早くも首位戦線から脱落ということにもなりかねなかったからだ。

 しかし結果は3-1でミラン。この試合に勝てば首位を維持して、ミランを首位戦線から蹴落とすことができたインテルは、勝ち点4差にまで詰め寄られただけでなく、首位の座からも転落。スクデット争いで先頭に飛び出すチャンスを逃す結果になった。

メニャンのビッグセーブが断ち切ったインテルの反撃ムード

 ホームのミランがピッチに送り出した11人の顔ぶれは次の通り。

GK:メニャン

DF:ヒラ、デ・ビンテル、パブロビッチ

MF:モレイラ、ムサ、モドリッチ、ディアワラ

OMF:ラビオ、プリシッチ

FW:ゴンサロ・ラモス

 一方アウェイのインテルは次のようなスタメンだった。

GK:マルティネス

DF:ビセック、アカンジ、バストーニ

MF:スペンス、バレッラ、チャルハノール、カルロス・アウグスト

OMF:ディウフ、スチッチ

FW:テュラム

 試合の分かれ目はおそらく、前半33分にメニャンが演じたスーパーセーブ。最初の10分で2点を挙げたミランがややペースを落として受けに回り、それにつけ込む形で攻勢に転じたインテルは22分、立て続けに獲得したCKの1つをバストーニがねじ込んで2-1に迫ると、その勢いでさらに攻め続けていた。ミランの[5-2-3]ローブロックに中央のスペースを封じられて、ラスト30mではやや手詰まりだったものの、サイドをえぐってのクロスからは何度か危険な状況も生まれており、試合のモメンタムは完全に2-2に向かっているように見えた。

 そして問題の33分、左からバストーニとの連携で裏に抜け出したカルロス・アウグストが折り返したクロスに、右からゴール正面に入り込んだスペンスがフリーで合わせる。至近距離からそのままゴールネットを揺らすかに見えたこのシュートに対し、メニャンは信じられない反応で右手を出してゴールの外に弾き出したのだ。

 攻勢のピークを示すはずだったスペンスのシュートが阻まれて意気消沈したかのように、インテルは急速に勢いを失っていった。それを受けてミランが久々にインテル陣内深くに攻め込んだ43分、バレッラのいささか軽率なファウルで得た好位置からの直接FKを、ディエゴ・モレイラが美しい弾道でゴール右上隅に叩き込む。これでスコアは3-1。それから間もなく訪れたハーフタイム、ミランは勝利への確信を、インテルは失望と焦燥感をそれぞれさらに強めて、ロッカールームに引き上げることになった。

首位インテルを悩ませる「ゲームの入り」の悪さ

 後半はインテルが60%近い支配率を保ってボールを握るものの、ほぼ唯一の攻め手となったサイドからのクロスもミランの3バックに制空権を握られて不発、決定機らしい決定機は作れずじまい。45+5分を通じてミランが落ち着いて試合をコントロールし、順位表的にも、そしてそれ以上に自信とモチベーションという点でも、これ以上ないほど貴重な勝ち点3を懐に納めた。

 そもそもこのミラノダービー、両チームとも試合に臨む状況は万全とは言い難かった。

……

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Profile

片野 道郎

1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『チャンピオンズリーグ・クロニクル』、『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』『モウリーニョの流儀』。共著に『モダンサッカーの教科書』などがある。

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