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「大丈夫です。ただの打撲なので」。1年以上のブランクを経て、満身創痍で戦う町田浩樹の過酷な日々

2026.10.22

左膝前十字靭帯断裂の重傷から復帰し、ホッフェンハイムの主力としてブンデスリーガとヨーロッパリーグの連戦を戦う町田浩樹。守備の安定感と左足のフィードで存在感を示す一方、本人は「体は動いてないし、自分で体に鞭打ってやってる状況」と明かす。ボルシアMG戦後、疲労困憊の状態でミックスゾーンに現れた町田の姿を通して、復帰を果たした日本代表DFが直面する過酷な現実と、その戦いを追う。

1年以上のブランクを感じさせないプレー。ホッフェンハイムの主力として復帰

 10月18日に行われたボルシア・パルクでの敵地戦、ホッフェンハイムはキックオフをGKバウマンに戻し、そこから一気に前線へロングボールを送ると、CB町田浩樹がボルシアMGのCBディックスに競り勝った。結果的には町田のファウルが取られたが、やはり彼のエアバトルは強い。

 左足のフィードも町田の武器。11分にホッフェンハイムが挙げたコンテの先制ゴールはMFプラスのお膳立てが光ったシーンだったが、その攻撃の始まりには町田も一枚噛んでいた。前半はCFレンペルレへのロングフィードも正確に通っていた。

 後半開始からしばらく、ホームのボルシアMGが攻勢に出て、49分にMFモヒヤが鮮やかなコントロールシュートで同点に追いついた。しかし、その5分後にカウンターからホッフェンハイムのMFパラスが1-2の勝ち越し弾を決めてボルシアMGの勢いを止めた。スコアの上では1点差の際どい勝負になったが、ホッフェンハイムは町田、フラナーチュのCBに加えて78分からカバクを投入する3バックで試合を無難にクロージングし、危なげなく逃げ切った。

 これで6連敗と元気のないボルシアMGが相手だったとはいえ、町田の守備は安心して見てられる。あのケガさえなければ北中米W杯当確だったのに――と嘆いても詮無いことだが、昨季開幕戦のドルトムント戦で左足前十字靭帯を切る重傷を負ったのが惜しまれる。ともかく事実上のブンデスリーガデビューシーズンとなった今季、町田はしっかり主力として活躍している。

 それにしても負傷明けの町田が、これだけ試合に出続けているのは素直に凄いなと感じ入る。なにせ彼はプレシーズンでほとんど試合に出ておらず、9月6日、3部のゾネンホフ対ホッフェンハイムⅡで45分間プレーしたのが今季初の公式戦だった。

 トップチームでは9月12日、第3節シュツットガルト(○2-1)とのホームゲームで21分間プレーすると、翌節、26日のパーダーボルン戦(●3-2)でフル出場。本人は「2失点目は自分のところで失点しているので、パフォーマンスとしてはあまりよくなかったので、チームに迷惑をかけました」とパーダーボルン戦を振り返るが、8インターセプト、105タッチととてもブランク明けの選手とは思えぬスタッツを記録した。

 しかも復帰してからの町田はほぼフル回転。今季のホッフェンハイムはヨーロッパリーグ(EL)と並行しながら戦っていることもあり、木曜日・EL→日曜日・ブンデスリーガ→木曜日・EL→日曜日・ブンデスリーガという過酷な連戦がある。私が取材したボルシアMG戦はまさにその真っ只中だったのだが、町田はELのベシクタシュ戦(●2-3)でヘディングシュートを決め、その3日後、ボルシアMG戦でチームを勝利に導く守備を披露した。

まるで力を出し切ったボクサー。ミックスゾーンで目撃した姿

 サッカーの世界では「ピッチの上は嘘をつかない」という決まり文句がある。1年以上のブランクのあった町田がブンデスリーガというハイレベルな舞台で連戦をこなす姿には、彼がどれだけ実戦を見据えた過酷なリハビリをこなしてきたのかが透けて見える。

……

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Profile

中田 徹

メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。

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