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日本代表の「3.5バック」は何をもたらしたか?右SB伊東純也というスペシャルウェポン

2026.10.07

新・戦術リストランテ VOL.137

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第137回は、日本代表のニュージーランド戦を分析。4バックへの変更によって生まれたのは、伊東純也を右SBに置く「3.5バック」という新たな攻撃の形だった。伊東の推進力と中村敬斗の突破力を生かす一方、引いて守る相手を中央から崩すには課題も残る。日本代表が誇るスペシャルウェポンの活かし方、そしてさらに磨くべきものとは?

「右SB」伊東純也が変えた攻撃の景色

 ウルグアイ、ベネズエラ、エクアドル、ニュージーランドとの4連戦、日本代表は3勝1分(PK勝ち)でした。

 ずっと「やるやる」と言っていた4バックを最後のニュージーランド戦で使いましたね。4バックは右から中野就斗、瀬古歩夢、伊藤洋輝、鈴木淳之介。2ボランチに鎌田大地、佐野海舟。左右のウイングハーフには前田大然、堂安律。トップ下に久保建英、トップに上田綺世。キリンカップ決勝だけに、おおむねコアメンバーで固めています。

 そもそもなぜ4バックなのか。3バックだと押し込まれた時に5バック化してウイングバックにウイングを起用しているメリットが出ない。むしろ守備面ではデメリットになってしまう。4バックで守れるなら、堂安律、伊東純也、中村敬斗などのウイングを1つ前のポジションに置けるので反撃に威力が出てくる。ざっくりいえばそういう感じですね。

 で、ニュージーランド戦の4バックがどうだったか言うと良くも悪くも普通でした。ほぼ攻め込んでいる試合なので守備面は正直よくわかりませんが、攻撃は悪く言えば平凡でした。中野、鈴木淳のSBは堂安、前田へのサポートが攻撃での主な仕事で、クロスボールの供給はあってもさほど威力はありませんでした。堂安、前田がウイングバックの時よりも攻撃にエネルギーを使えるのはメリットですが、こちらも大きな収穫はなし。

 状況が一変したのは後半でした。64分、伊東純也が中野に代わって右SBで登場してからです。同時に前田→中村、久保→田中碧の交代も行われ、鎌田がトップ下にポジションを上げていますが、伊東の右からの攻撃で一気に局面が変わった感がありました。

 それまで大外レーンで中野と堂安、あるいは久保と重なってしまっていたのですが、伊東が入って堂安が大外レーンを良いタイミングで空けるようになります。このあたりは連係ができ上がっているというか、存在感の違いというか。ともあれ、伊東がガンガン上がってきて危険なクロスボール、危険な縦突破を仕掛けていきました。

 伊東の登場でギアが上がるのは既視感のある光景でしたが、今回はSBというところに違いがあります。

中村敬斗を高い位置に置く「3.5バック」の利点

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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