大学サッカー界で圧倒的な実績を残し、明治大学を“黄金期”へ導いた栗田大輔。30年間勤めた清水建設を退職し、東京ヴェルディの経営陣入りを決断した背景には、「日本で一番のクラブにしたい」という強烈な覚悟があった。育成、経営、スタジアム構想――。現場とビジネスの双方を知る異色の副社長は、東京Vの未来をどう描いているのか。クラブ改革の現在地と、その先に見据えるビジョンを聞いた。
「会社を辞め、明治に骨を埋めるつもりだった」
――2025年2月1日、東京ヴェルディ代表取締役副社長に就任され、およそ1年半が経過しました。今回は明治大学サッカー部を率いて数々のタイトルを獲得した栗田大輔さんが、なぜ東京Vの経営陣に加わったのか。クラブ運営で重視しているポイントや、先々にどのようなビジョンを描いているのかを聞かせてください。就任に当たっては中村考昭代表取締役社長からの熱心なオファーがあったそうですが、発端は?
「2020年の冬、ヴェルディの筆頭株主であるゼビオホールディングス(以下、ゼビオHD)が経営を主導していく、大改革がスタートしましたよね。その頃、僕は明治の監督として江尻(篤彦)強化部長から『ヴェルディを育成型クラブに変えていきたいんだ。力を貸してくれないか?』という話を聞いていました。江尻さんは地元が同じ清水で、大学の先輩。長年の付き合いがありましたので」
――明治大からは2021年に佐藤凌我選手(現ジュビロ磐田)、持井響太選手(現今治FC)。2022年に稲見哲行選手、加藤蓮選手(現横浜F・マリノス)。2025年に熊取谷一星選手、内田陽介選手が東京Vに加入しています。
「改革に向けた第一期生が凌我たちです。もっとも、僕が進路について何か指図をするようなことなく、決めたのはあくまで本人の意思。クラブの熱意が伝わった結果だと思います。その後、堀(孝史)監督の時、帰省をかねてJ-STEP(清水ナショナルトレーニングセンター)でのキャンプを見に行き、江尻さんから中村社長を紹介されて初めてお会いしました」
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日差しが強く汗ばむ陽気の中、ボール回しやダッシュを交えたトレーニングを実施しました🍀
2日目以降は、Instagramでトレーニング風景を届けていきます📸▶https://t.co/8QDigtdu6U#verdy pic.twitter.com/fKy3gMmsyH
— 東京ヴェルディ(TOKYO VERDY)公式⚽ (@TokyoVerdySTAFF) January 25, 2022
――2022シーズンの開幕前ですね。
「これはヴェルディの件とは無関係なのですが、僕はその年の6月末で清水建設を退職したんですよ。スポーツビジネス推進部の部長として、スタジアムやアリーナの建設、ラグビー・リーグワンの清水建設江東ブルーシャークスの管理など、ゼネコンの力で『スポーツ×地方創生』や『スポーツの価値を広げよう』とする仕事に携わってきました。ところが、社内でさらに上の立場を望まれる状況になってきて、明治大との両立が難しくなってきたんですね。サラリーマンとして残る選択肢もあったのですが、ここで区切りをつけよう、と」
――清水建設にお勤めだった期間は?
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Profile
海江田 哲朗
1972年、福岡県生まれ。大学卒業後、フリーライターとして活動し、東京ヴェルディを中心に日本サッカーを追っている。著書に、東京Vの育成組織を描いたノンフィクション『異端者たちのセンターサークル』(白夜書房)。2016年初春、東京V周辺のウェブマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を開設した。
