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J1昇格のキーマンになり得る21歳の続く躍動。RB大宮アルディージャ・山本桜大が感じた運命的な“再会”

2026.05.16

【特集】百年構想リーグで台頭したU-21の新星#7

昇降格というプレッシャーから解放された百年構想リーグでは、勝敗だけでなく「成長」にも大きな価値が置かれる。若手にとって“試される場”であると同時に、“伸びるための舞台”でもある。本特集では、その環境の中で自らの才能をピッチ上で証明し始めたU-21の新星たちに光を当てる。

第7回はRB大宮アルディージャの山本桜大。柏レイソルから期限付き移籍で加わった21歳のアタッカーは、J2・J3百年構想リーグでいきなりの開幕3戦連発というハイパフォーマンスを披露し、その才能をきっちりと証明してみせる。以降も前線からチームを牽引し、確実に注目を集めている若武者は、今なにを思うのか。

止まらない勢い。新エース、開幕から躍動

 山本桜大。RB大宮アルディージャの2026年シーズンは、この男のゴールで幕を開けた。明治安田J2・J3百年構想リーグ EAST-Bグループ第1節・松本山雅FC戦、16分のことである。

 左コーナーキックを得た大宮は、キッカーが短くペナルティエリア左角の辺りにボールを差し入れる。ここで待ち構えていたのが山本。寄せてくる相手DFをかわし、豪快に右足を振り抜くと、ボールはポスト右上に突き刺さった。

 続く第2節・北海道コンサドーレ札幌戦では、右クロスからヘディングシュートを決め、さらに第3節・福島ユナイテッドFC戦では泉柊椰からのクロスにファーサイドで走り込み、チームの大量得点に貢献した。

 これまでのプロキャリアでは2試合連続ゴールまでだったのが、それを超える3試合連続ゴールで、チームの地域リーグラウンドEAST-Bグループ首位進出の原動力となった。

 山本の快進撃はこれだけでは止まらない。第7節・ジュビロ磐田戦で今季初の1試合2得点を決めると、そこからまたしても3試合連続ゴールを記録した。

繰り広げるチーム得点王争いは、そのままリーグの得点王争いに!

 チームメートの志村滉は、山本についてゴールキーパー目線で「(足の)振りは大きくないんだけど、パンチのあるシュートが来る」と評価する。ゴールキーパーにしてみれば、コンパクトな動きで速く強烈なシュートが飛んでくるわけで、反応しにくいことこの上ない。山本の大きな武器の1つである。

 「結果の部分はすごくいい。調子がいい時こそ意外とどこかで崩れちゃうので、いつも通りやっていきたいと思います」

 最初の3試合連続ゴールのさなか、自身の好調をそのように振り返った。間違いなく序盤のけん引役の一人だった。

 興味深いのは、泉柊椰、カプリーニとのチーム得点王争い。[4-2-3-1]の2列目に、これだけ得点力のあるタレントが並ぶのもなかなかあることではなく、これがリーグ全体の得点王争いに直結している。

 特に泉は、自分がリードを広げるとすぐさま追いついてくる山本に対し「腹立ちますね(笑)」と軽口を叩きつつ、「いい相乗効果と言うか、ライバルがいると刺激になる。(山本は)自分より4つも若いんで、負けてられない」と競争心を隠さない。余談ではあるが、泉が現在得点ランク首位(※第16節終了時点)にいるのは、こうしたチーム内での競争がいい方向へ働いている証左であろう。

左から小島幹敏、泉柊椰、カプリーニ、山本桜大

反撃の狼煙。札幌戦で叩き出した7試合ぶりのゴール!

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Profile

土地 将靖

1967年埼玉県生まれ。1993年のJリーグ開幕と同時に試合速報サービスのレポーター兼ライターとして業界入り。2001年よりフリーに転身し大宮アルディージャに密着、各種媒体への寄稿を細々と続けている。2005年より続いていた大宮全公式戦の現地直接取材はコロナ禍で途絶えたが、近年は下部組織の取材にも注力し、精力的に活動している。

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