新・戦術リストランテ VOL.102
footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!
第102回は、マンチェスター・シティとのダービー、プレミア首位のアーセナルという「最強格」の相手に連勝した新生マンチェスター・ユナイテッド。果たして迷える名門は、キャリック暫定監督の下で何が変わったのか?
ユナイテッドは「これでいい!」
キャリック暫定監督のマンチェスター・ユナイテッドが好調です。マンチェスター・シティに2-0、アーセナルに2-3と連勝。いったい何が起きているのか、と思ってこの2試合を見てみましたが、特に何も起こっていませんでした(笑)。
[4-4-2]のコンパクトな守備、全員のハードワーク、鋭いカウンターアタック。まあ、普通にやって普通に勝っていました。アモリム前監督の3バックから伝統の4バックへ。戦い方も伝統の[4-4-2]。守備はしっかりやっていましたが、攻撃はけっこうアバウトというか自由というか、そんなに細かくなさそう。シティとのダービーはトレーニングできたのが3日だそうですから、そんなに詰め込めるわけはなく、また詰め込む気もないのではないでしょうか。
前任者が詰め込むタイプで、何となく窮屈な感じはあったでしょうからね。このへんはシャビ・アロンソ前監督からアルベロア監督に代わって好調のレアル・マドリーと似ています。
年季の入ったユナイテッドファンの「こういうのでいいんだよ、こういうので!」という声が聞こえてきそうです。気取った高級料理から町中華への回帰といいますか、ユナイテッドの原点に戻った感があります。
シティ戦で光った1対1の強さとカウンター
今回はそんな庶民の味に回帰したユナイテッドについて。
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Profile
西部 謙司
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。
