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佐野航大、佐藤龍之介に続け!ファジアーノ岡山2026のテーマは選手の「成長力」

2026.01.23

初挑戦のJ1の舞台を大健闘と言える13位で終えたファジアーノ岡山。木山隆之監督体制5年目となる2026年はJ1定着を目標に次の一歩を踏み出すことになる。そのために指揮官がテーマとして掲げたのが、選手の「成長力」。その真意をクラブを追い続ける難波拓未記者がレポートする。

 クラブ史上初めてJ1を戦った2025年は、「20番目からのスタート」(木山隆之監督)を合言葉に下馬票を覆す戦いを演じ、昇格組で最高の13位でシーズンを終えた。

 そんなチームの次なる目標は、J1定着だ。

 岡山は、親会社を持たない地方の市民クラブである。潤沢な資金力のあるクラブとの真っ向勝負では、どうしても分が悪い。国内最高峰に生き残り続けるためにはチームのレベルアップが必須なのだが、例えばJ1のライバルチームから主力選手を獲得するなどの強化方法が極めて難しいのが現実だ。

木山隆之監督

資金力勝負ではない、“本物の力”とは何か?

 2026年に開催される明治安田Jリーグ百年構想リーグに挑むファジアーノ岡山のユニフォームには「挑戦の1年を糧に、“本物の力”を築き上げるフェーズへ」という思いが込められた。

 資金力での勝負では後手に回る岡山が培っていかなければならない“本物の力”とは一体何なのか。新体制発表会で木山監督は丁寧に言葉を紡いだ。

 「フットボールの世界の変化や進歩はとてつもなく大きくて、私自身がこのチームの監督になる4年前からですら、すごく大きくて。その中で、現状の自分たちは立ち止まっていては進歩どころか、すぐに置いていかれる。その中で我々はクラブとして、全員がハードワークをしてチームのために必死に戦う、その素晴らしいメンタリティを持っている。ただし、走るとかハードワークするとか、チームで協調するといった自分たちの誇らしい部分ですら、(データで見ると)まだ日本のトップレベルには達していない。でも、これを限りなく日本トップレベルに近づけていく。なおかつ、そこにプラスアルファしていける力。昨年、佐藤龍之介が我々のチームでブレイクして代表選手まで上り詰めた。2年前には佐野航大がヨーロッパに旅立ち、今ではヨーロッパのビッグクラブが獲得を狙う選手に成長している。やっぱりそういう選手の成長力を、チームの成長力に変えていくことができれば、我々もまた1つ上のステージに行けるんじゃないかなと。そのスタートラインには立っていると思うので、そこから自分たちがどれだけ進歩していけるか。そこは自分たちに非常に期待するところですし、自分たちが目指していくべきところなのかなと思います」

 「個人の成長力を、チームの成長力に変えていく」という部分は、補強からもにじみ出ている。8人の新加入選手の平均年齢は、24.3歳と非常に若く、最年長はFC東京から期限付き移籍で加入した白井康介の31歳。さらに、そのうち5人の選手がJ1未経験なのだ。その中には、世代別代表経験があり高校時代にバルセロナからの獲得オファーが来ていたという西川潤もいる。もちろん現状の実力を十分に評価して獲得した選手たちではあるが、ポテンシャルや可能性を大きく期待していることは間違いない。山田正道フットボールダイレクターも補強のポイントに「ギラギラしている若手」を挙げていた。

同じく「若手に賭けた」23年との違い

 野心のある若い才能を開花させてチームのパワーアップを図る2026年だが、実は岡山は過去にも同じように若手のポテンシャルに賭けた年がある。

……

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Profile

難波 拓未

2000年4月14日生まれ。岡山県岡山市出身。8歳の時に当時JFLのファジアーノ岡山に憧れて応援するようになり、高校3年生からサッカーメディアの仕事を志すなか、大学在学中の2022年にファジアーノ岡山の取材と撮影を開始。2024年からは同クラブのマッチデープログラムを担当し、サッカーのこだわりを1mm単位で掘り下げるメディア「イチミリ」の運営と編集を務める。(株)ウニベルサーレ所属。

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