ストライカー×チーム戦術のケーススタディ:レアル・マドリー
FWの選手にも得点以外の様々な戦術的タスクが課されるようになった現代サッカー。ただ、それぞれが与えられる役割やその程度はチームの方針や個人の特徴によって変わってくる。チームの戦術の中でストライカーは何を求められプレーしているのか、明らかにしていく。
クリスティアーノ・ロナウドを失って以降、レアル・マドリーの得点力はベンゼマが一身に背負ってきた。昨季は53試合中52、今季も50試合中44の公式戦で先発してきた不動のCFは、シーズン30ゴールを記録した昨季に続き、今季もチームトップの26ゴールを積み重ねている。それはロナウドのためにチャンスメイクやスペースメイクを優先していた以前とは違い、ゴールへの意識が強まっている証拠だと言える。
それでも稀代の万能型ストライカーは、ゴール以外の部分でも欠かせない役割をいくつも担っている。……
Profile
工藤 拓
東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高-早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。06年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームで毎週リーグ戦を戦い、スペイン人たちと削り合っている。
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