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「主導権を握って守備ができるか」――京都サンガ・麻田将吾が初のJ1で感じる手応えと課題

2022.07.22

12年ぶりのJ1リーグで、第22節を終えて6勝7分け9敗の11位と奮闘している京都サンガ。曺貴裁監督の下で攻守にアグレッシブなサッカーを展開するチームに置いて、最終ラインを預かるひとりがDF麻田将吾だ。186センチの長身と、左足のフィードに特徴がある24歳は、自身初のJ1を戦う中で、何を感じ、どう成長を遂げているのか。下部組織出身で、サンガ独自のポジション名では「コマンド」(司令官)と呼ばれるセンターバックに、スポーツ報知の記者である金川誉氏が話を聞いた。

FWの動きをリアクションにさせたい

――クラブとして12年ぶりのJ1、どういった手応えを感じているか?
 
 「最初は(サンガに対し)相手チームも分析というか、試合のデータもなかったと思うので、対応できなかった部分もあったと思います。ただ相手も分析してきて、自分たちのプレースタイルを上回るぐらいのチーム戦術の完成度を持ったチームと試合すると、勝てない試合も増えてきた。苦しい期間がありましたけど、大枠のスタイルを変えず、相手の時間帯にどう戦うか、修正できてきている。これをしっかり結果に繋げられるように、自分たちのやり方は間違っていないという自信が生まれるように、しっかり継続していけたら、と思っています」

――サンガの戦い方と言えば、DFライン高く設定し、前からアグレッシブに守備も仕掛けるスタイル。相手チームも、裏に広いスペースがあるとわかって対策してくる。最終ラインの選手としては、後方に広いスペースがある中で、怖さや不安はあったか?

 「ライン高くしているので、裏のスペースは他のチームよりあるかも知れない。ただ、そこにロングパス一本で抜けられて、点を取られるシーンは、そんなにないと思っていて。かといって、以前讃岐にレンタル(移籍)で行った時は、できるだけ相手を引き込んでカウンターを狙うため、ラインを低く設定しても、裏を取られることが多くありました。だから一概にラインが高いから、裏を取られやすい、というものじゃないと、改めて思うところでもあります。結局(パスの)出し手にプレッシャーかかっていると、いいボールも出てこない。逆にフリーなのにラインを高くしてしまうと、いい精度のボールがきて、能力があるFWにやられてしまう。

 最初(2021年に)曺監督が(サンガに)来て、ラインを高くして、という時は多少怖さもありました。でもそれやっていくうちに、これでもやられない、ということも感じ始めているので、今は怖いとは感じていない。逆に攻撃のためには、そのぐらいしないといけない、と感じている。このやり方で守れる、と示してくれたので感謝しています」

――それはJ2からJ1に昇格し、FWの質が上がっても、怖さへの感覚は変わらないか?

 「そうですね。ロングパス、スルーパスが、どこに出てくるか。僕らセンターバック(CB)の真裏に出てくると、やっぱりゴールに直結してしまうので、まずいなと思いますけど、サイドバックの裏とかだと、そこから1、2本パスを繋がないとゴールにはならない。そう考えた時に、自分たちがいかに遅らせることができるかが大切で。それが出来れば、他の選手が戻ってきてくれる。相手の選手より僕らが戻る方が速いという確信があるので。

 あとは、裏に出されたとしても慌てない対応を心がけています。J1は個の能力がある選手がいても組織で攻めてくるので、1対1で守るのではなく組織で対応して、チャレンジ&カバーを徹底して、より組織的に守らないといけないと感じています」

――曺貴裁監督は、各ポジションに独自の名前を付けている。サイドバックはリードアクセル(攻守の起点となり、攻撃の推進力を加える)、インサイドハーフはBB(Box to Box、両ペナルティーエリアで攻守に絡む)など、ポジションの役割が名前に反映されている。センターバックは、コマンド(主に最終ラインの高さを指示する司令官)と呼ばれているが、名前が変わることで、プレーの意識も変化したか?

 「自分たちに意識して欲しいプレーの意味がこもっていると思うので、そこは意識しています。曺監督の意図があってやっていることですし、僕らもそれを遂行しようとしている。他のチームにとっては『何それ?』って、感じかもしれないですけど、僕らとしては(監督の意図を)共有できていい。特別なものという感覚があります」

2021年より京都サンガで指揮を執る曺貴裁監督

――コマンドと呼ばれて最終ラインの中央に入る上で、一番意識している部分は?……

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麻田将吾

Profile

金川 誉(スポーツ報知)

1981年、兵庫県加古川市出身。大阪教育大サッカー部では関西2部リーグでプレー(主にベンチ)し、2005年に報知新聞大阪入社。野球担当などを経て、2011年からサッカー担当としてガンバ大阪を中心に取材。スクープ重視というスポーツ新聞のスタイルを貫きつつ、少しでもサッカーの魅力を発信できる取材、執筆を目指している。

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