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ヴィッセル神戸、不振の原因。ロティーナ体制での逆襲にむけて必要なこと

2022.06.03

2022シーズンJリーグにおける驚きの1つがヴィッセル神戸の低迷だろう。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)はグループステージを突破したものの、Jリーグは16節終了時点でまさかの最下位。タレント軍団に何が起きているのか。低迷の原因をスポーツ報知でヴィッセル神戸を取材する種村亮氏に分析してもらった。

コロナ禍による調整不足と続出した負傷者

 J1リーグ16試合を終え、神戸が手にした勝ち点はわずか11(2勝5分け9敗)。開幕前、優勝候補の一角にもあげられたタレント軍団が最下位から抜け出せずにいる。クラブ史上最高順位を更新する3位と躍進した昨季からの変貌には驚きを隠せないが、成績の急上昇・急低下にはそれぞれ要因があると感じている。

 昨季は、何と言っても日本代表FW古橋亨梧の大爆発に尽きる。7月にスコットランド1部セルティックに移籍するまでのリーグ戦21試合で15得点と、序盤の攻撃陣をけん引。持ち前のスピードを生かした一瞬の動き出しで元スペイン代表MFイニエスタ、MFサンペールからのスルーパスに反応、ゴールを量産するパターンがチームの得点源となっていた。

 古橋が抜けた夏の移籍期間には日本代表FW大迫勇也、元同代表FW武藤嘉紀、元スペイン代表FWボージャンと大型補強を続けて敢行。A代表での共演経験も多い大迫と武藤の神戸での組み合わせは2トップ、大迫の1トップに武藤がサイドハーフで入るなど複数試されたが、代表と違い大迫が流動的に動き回ってチャンスメイクし武藤がフィニッシュ役に回ることも多かった。「互いに良さを分かり合っている」(武藤)と昨季のリーグ戦であげた大迫4得点、武藤5得点のうち互いに2アシストずつ記録し3位フィニッシュに貢献した。

 当時、指揮を執っていた三浦淳寛監督による守備の改善も大きかった。2019年の失点数はリーグワースト3位の59、翌年は同5位の59と上位進出への課題となっていたが、21年はリーグ3番目に少ない36と劇的に減少。自陣ゴール前での粘り強さは見違えるように変わった。前線からの積極的な守備をベースに、ボールを奪えばできるだけ速く前線に運び代表クラスのストライカーに託す―そうした戦い方で勝ち点を積み上げていった。

 クラブは、今季もこの戦い方を継続できれば悲願のリーグ制覇にも届くと考えていただろう。1月の新体制発表会見で三浦監督は「今年は昨年以上の成績を出す」と息巻いていたが、その目論見通りには進まなかった。……

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ヴィッセル神戸

Profile

種村亮

1983年生まれ、三重県出身。暁高校、関西大学を経て2007年に報知新聞社入社。サッカー、紙面レイアウト、芸能、アマチュア野球、プロ野球(広島カープ)を担当した後、2019年にサッカー担当に復帰。Jリーグはヴィッセル神戸、セレッソ大阪を担当。Twitter:@hochi_tanemura