SPECIAL

王者アトレティコ・マドリー不調の理由とは? シメオネの改善策とマドリッドダービーの行方を読む

2021.12.10

2020-21のリーガを制し、リーグ連覇を目指すもここまでパフォーマンスが上がらず苦戦を強いられているアトレティコ・マドリー。チームに何が起こっているのか、チームのメカニズムとシメオネが施した変化、そして12月12日に控えるマドリッドダービーの展望を、東大ア式蹴球部のテクニカルスタッフであるきのけい氏に分析してもらった。

 ディエゴ・シメオネ監督のアトレティコ・マドリーと言えば「堅守速攻」というイメージが強いだろう。しかし、昨シーズンにルイス・スアレスという稀代のストライカーを獲得すると、シメオネはそれまでとは異なる攻撃的なスタイルをチームに落とし込み、2013-14シーズン以来となるラ・リーガ制覇を成し遂げた。

 王者として臨んでいる今シーズンは、ここまで消化試合数にばらつきがあるとはいえ8勝5分2敗の勝ち点29で暫定4位、CLではグループステージ最終節に最下位から劇的に決勝ラウンド進出を決めるなど、昨シーズンとは打って変わって不安定な戦いが続く。その戦いぶりからも、守備面は言うまでもなく、帰還したかつてのエース、アントワーヌ・グリーズマンを含む新戦力の適応や選手の組み合わせ・配置という点でも、シメオネが試行錯誤していることがうかがえる。今シーズンここまでのシメオネ・アトレティコの戦術分析をもとに、ラ・リーガの優勝を占う一戦、マドリッドダービーを展望する。

積み重なる失点、そのワケ

 初めに、アトレティコ・マドリーがそのアイデンティティとも言える堅守を発揮できていない要因として、以下の3つを挙げる。これらを1つずつ説明していく。……

残り:7,586文字/全文:8,264文字 この記事の続きはプレミア会員
のみお読みいただけます

プレミア会員3つの特典

  • 会員限定のオリジナル
    記事が読み放題!

  • 電子版バックナンバーが
    読み放題!

  • 雑誌最新号を毎月
    ご自宅にお届け

TAG

アトレティコ・マドリーディエゴ・シメオネマドリッドダービー戦術

Profile

きのけい

本名は木下慶悟。2000年生まれ、埼玉県さいたま市出身。栄東高校から1年の浪人生活を経て東京大学に入学し、ア式蹴球部(サッカー部)のテクニカルスタッフを務める。工学部所属のスキルを活かしサッカーのデータ分析にも力を入れている。また、テクニカルスタッフとしての活動の傍ら、趣味でレアル・マドリーの分析を発信している。プレーヤー時代のポジションはCBで、好きな選手はセルヒオ・ラモス。Twitter:@keigo_ashiki