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なぜラ・リーガはリーグ最大のスター流出を阻止しようとしなかった?メッシ移籍劇をもう一つの側面から読む

2021.08.26

2021年夏の移籍市場閉幕までまだ1週間弱残ってはいるものの、最大のトピックがリオネル・メッシのパリ・サンジェルマン移籍であることに異論を挟む人は多くないだろう。一連の騒動を通してバルセロナの苦しい財政事情に注目が集まることとなったが、一方でこの結果を招いた背景にはラ・リーガ側の対応も一因としてあった。放映権料の分配方式変更などビジネス視点での改革を推し進めてきたハビエル・テバス会長率いるラ・リーガが、リーグ最大のスター流出を阻止しなかったのはなぜなのか。発売中の『フットボリスタ第86号』の連載でラ・リーガの“超法規的措置”を予想していた木村浩嗣さんに、本誌発売後に明らかになった事実も踏まえてラ・リーガとバルセロナとの駆け引きについて紐解いてもらった。

 メッシがバルセロナを出て行った。

 ここ半年ほど『フットボリスタ』誌上で、バルセロナの財政事情は非常に苦しい、メッシの契約更新だって容易ではないと言い続けてきたが、この幕切れは意外だった。スペインお得意の超法規的措置で、ラ・リーガのサラリーキャップ制はお目こぼししてもらえると踏んでいた。だからメッシ残留だ、と。数百億円の経済効果を考えれば、少々の不公正には目をつむれる。他のクラブだってメッシにリーガに居てもらった方が得だから、反発はさほどないのではないか、と思っていた。

 この読みが外れた理由は後に書くとして、まずバルセロナの財政はやっぱり大変だった、の方からお伝えしていきたい。メッシ退団の過程で、悪者にされたジョセップ・マリア・バルトメウ前会長の反論、それに対するジョアン・ラポルタ現会長の再反論があったりして、具体的な数字がいろいろ表に出てきたのである(以下、発言のタイミングによって金額は揺れ、丸くなったりしているのであくまで参考で)。

予想以上だったバルセロナの窮状

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バルセロナリオネル・メッシ

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。