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ロマーリオやロナウドはもう出てこない?サントス下部組織責任者が語るブラジルの今、ストライカー育成の流儀

2021.01.30

近年のサッカーの進化、ストライカーに求められる仕事の増加に伴い、いわゆる生粋の点取り屋のような選手はめっきり減少した。こうした事情は、多彩なスキルやイマジネーションにあふれたプレーで違いを生み出してきた南米、ブラジルのストライカー育成にも影響を与えているのだろうか。王国の中でも「最も優れたストライカーを輩出してきた」サントスFCを、現地在住の沢田啓明さんが直撃取材し育成事情に迫った。

 ブラジル出身のストライカーといえば、誰もがすぐに思い浮かべるのがロマーリオとロナウドだろう。ロマーリオは小柄にして敏捷で、マーカーとの駆け引きに長け、状況によって最適のシュートを放つ技術とスキルを備えていた。ロナウドは大柄でパワフルだが、スピードとテクニックも十分に持ち合わせていた。2人の体格は対照的ながら、ゴールへの嗅覚と勝負強さは共通していた。

 しかしその後、ブラジルからこの2人に匹敵するレベルのストライカーは出現していないように思える。「アタッカー」という括りなら、リバウド、カカー、ロナウジーニョ、ネイマールらがいる。だが、彼らには根っからの点取り屋というイメージはない。

 なぜブラジルからロマーリオ、ロナウドのような“怪物”クラスのストライカーが出現したのか、そして以降なぜ出てこないのか。あるいは、ブラジルのストライカー育成の方法やコンセプトが変化したのか――。……

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サントスストライカー

Profile

沢田 啓明

1986年ワールドカップ・メキシコ大会を現地でフル観戦し、人生観が変わる。ブラジルのフットボールに魅せられて1986年末にサンパウロへ渡り、以来、ブラジルと南米のフットボールを見続けている。著書に『マラカナンの悲劇』(新潮社)、『情熱のブラジルサッカー』(平凡社新書)など。