
2019-20シーズン開幕後に不振に陥ったフェイエノールトは、ディック・アドフォカート監督が就任してから手堅いサッカーで復調し、今季も3位につけている。そのプレースタイルには批判の声もあるが、今は来季に予定される監督交代に向け、チームを安定化させている段階だ。
手堅いサッカーでチームを立て直す
2019年10月、フェイエノールトは不振にあえいでいた。アカデミー出身の選手を積極的に抜擢し、高いラインで攻撃的に試合を進める理想を掲げて2019-20シーズンに臨んだものの現実は厳しく、開幕から負けが込んでしまった。
10月27日に行われたアヤックスとのデ・クラシケルでは0-4と完膚なきまでに叩き潰され、当時の指揮官ヤープ・スタムはうつろな目でベンチに座るだけだった。第12節を終えて3勝5分3敗の12位という成績はオランダのビッグクラブの一角を占めるフェイエノールトとしてあるまじきことで、就任1年目のスタムの早期解任は仕方のないことだった。
フェイエノールトはここで「困った時のディック」こと、ディック・アドフォカート(73歳)に泣きついた。AZ、PSV、フェイエノールト(ファン・ブロンクホルスト前監督のアドバイザー)、オランダ代表、スパルタ、ユトレヒトの苦境を救ってきた老将は、「俺のやりたいようにやる」という条件でフェイエノールトのオファーを受けた。アカデミーのタレントのトップチーム昇格は見送られ、守備ラインも低くなって堅いサッカーをするようになった。……
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中田 徹
メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。