船越体制のキーワードは「走る、戦う、仕掛ける、規律」。アルビレックス新潟はタフに戦える集団を目指す!
大白鳥のロンド 第31回
苦しい2025年シーズンの最後に待っていたのは、J2降格という悔しい結果。今季のアルビレックス新潟は再びトップディビジョンで戦うことを目指し、リスタートを切ることになった。チームの再建を託されたのはクラブOBでもある船越優蔵監督。昨年までU-20日本代表を率いていた情熱の指揮官だ。果たして都城キャンプではどのようなチームビルディングが施されているのか。おなじみの野本桂子が現地取材の模様をリポートする。
OB指揮官・船越優蔵監督の下でのリスタート
ボールも人も、もっともっと前へ。アルビレックス新潟は、攻守にアグレッシブさを取り戻すところから、J2でのリスタートを切った。
昨季はJ1最下位で終え、昇格からわずか3年でJ2に降格。三度目のJ1昇格を目指すため、クラブは新監督として、昨秋までU-20日本代表を率いた船越優蔵氏を迎え、始動した。船越監督は現役時代の2002年から5シーズンに渡り、FWとして新潟でプレーしたOBでもある。
始動初日のミーティングで「今まで積み上げてきた、ボールを大事にするスタイルは継続してブラッシュアップしていく。これは絶対必要だ。ただ一方で、忘れちゃいけない、欠いちゃいけない部分もある」と選手たちに伝えた。
そこで提示したのは「走る、戦う、仕掛ける、規律」というキーワードだ。攻撃も守備も、受け身にならず自分たちからアクションを起こす。前から奪いに行き、相手のボールが頭を越えたら全力で戻り、最後まであきらめずに体を張って守る。攻撃も、まずは前。ボールが前に入れば一気にラインを押し上げて攻め入る。一体感を持ったハードワークは、指揮官から見て、少し薄くなってきたと感じていた部分だった。
強化部は「チームのために、走って戦える選手」(寺川能人強化本部長)、7選手を獲得。さらに1月9日から宮崎県都城市でスタートしたキャンプ前半は、走るトレーニングが続いた。ボールを使ったトレーニングも、攻守の切り替えが激しい中で足を動かすメニューが多い。
しかも、キャンプスタートから13日間オフなし。その間、2度の練習試合も組み込まれた。1試合目は15日、日章学園高校戦(30分×3本)に11−1で勝利。21日のモンテディオ山形戦(45分×3本)には2-0で完封勝利を収めた。

「今はやっていて、楽しくてしょうがないです!」(若月大和)
キャンプ13日目に当たる山形戦は疲労もピークの状態だったが、それでも走ること、体を張ることをサボる選手はいなかった。「結構、きつい中での試合だったんですけど、明日からオフですし、出し切る気持ちでやっていました」と振り返ったのは、新潟加入2年目の若月大和だ。どちらの練習試合でも先制点を奪い、2試合合計で3得点1アシストとアピールしている。
「今はやっていて、楽しくてしょうがないです!」
18日で24歳になったばかりの新エース候補は、まん丸い目をキラキラと輝かせて語る。スピードを活かしたタイミングの良い背後への抜け出しは、若月の最大の武器。縦への速さを増した今季のサッカーで、若月の強みが存分に生きている。
……
Profile
野本 桂子
新潟生まれ新潟育ち。新潟の魅力を発信する仕事を志し、広告代理店の企画営業、地元情報誌の編集長などを経て、2011年からフリーランス編集者・ライターに。同年からアルビレックス新潟の取材を開始。16年から「エル・ゴラッソ」新潟担当記者を務める。新潟を舞台にしたサッカー小説『サムシングオレンジ』(藤田雅史著/新潟日報社刊/サッカー本大賞2022読者賞受賞)編集担当。現在はアルビレックス新潟のオフィシャルライターとして、クラブ公式有料サイト「モバイルアルビレックスZ」にて、週イチコラム「アイノモト」連載中。
