REGULAR

シャビ・アロンソの解任危機とは何だったのか?ビニシウスとの“仲直り”が意味するもの

2025.12.20

サッカーを笑え #57

開幕14戦13勝スタートから8戦2勝(11月4日〜12月10日)の大失速。にわかに監督の進退問題が浮上したレアル・マドリーに何が起こっているのか? シャビ・アロンソの変化と今後について。

クラシコ圧勝後になぜ? “スロットvsサラー”との違い

 先週のアラベス戦に勝って(1‐2)シャビ・アロンソが何とか命を繋いだ。負ければ解任、引き分けてもおそらく解任だったろう。

 〇●△△〇△〇●●、これがアラベス戦までの直近9試合の結果だった。うちCLは1勝2敗、リーガは2勝3分1敗で5ポイント差をつけていたバルセロナに逆転され今は逆に4ポイント差をつけられた。この急転落が始まるのが、点差(2‐1)以上の内容差で圧勝したクラシコ後だった。激しいプレスでパス回しを寸断しチャンスを作らせなかったあの試合こそ新監督の真骨頂で、まさかあそこから落ち込むとは思わなかった。

 何があったのか?

 この問いへの答えはコメンテーター全員が一致している。誰も予想できなかった大きな謎の秘密は、実に簡単なことだった。主力選手(特にビニシウス、バルベルデら)と揉めたから。

 クラシコを見た人は、交代させられたビニシウスが不満たらたらだったのを覚えているだろう。「また俺か!」「冗談だろ!」「クソッタレ野郎!」なんてかなり酷いことを言っている。まあ、ビニシウスは瞬間湯沸かし器だし、頭を冷やせば勝利の喜びで帳消しになるだろうと私は思っていたが、そうはならなかった。

10月26日にベルナベウで行われたリーガ第10節バルセロナ戦、72分のビニシウス交代シーン

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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