サッカーを笑え #23
今季のラ・リーガ開幕を翌日に控えた8月14日、バルセロナ所属でスペイン代表としてEURO2024優勝に貢献したラミン・ヤマル(17歳)の父親、ムニール・ナスラウィ氏(35歳)が、自宅のあるバルセロナ県マタローのロカフォンダ地区で暴漢に襲撃され、病院に搬送された。このモロッコ系スペイン移民を巡る刺傷事件の背景、そして不法移民の急増に揺れる同国の近況をお伝えする。
スペイン代表選択は「祖国への裏切り」?
「ラミン・ヤマルの父親が刺されて重体」との報が伝えられたのが、先週14日のことだった。
まず、ざっと事実関係を整理しておく。
14日午後:父と隣人が口論になるが、警察が介入して収める。
同日夜:「仲直りのため」呼び出された駐車場で腹部と胸部をナイフで刺される。「命には別条ないが重体」の診断をされ集中治療室に入る。
同日深夜:容疑者が4人逮捕される。
15日午後:練習後にラミン・ヤマルがお見舞いに行く。
20日:一般病棟に移った後に退院。さっそくテレビカメラの前に現れ傷口を披露。
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。