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国際試合の再開に向けて「カプセル化」の徹底を目指す南米諸国

2020.08.27

 新型コロナウイルス感染防止策として南米各国で厳しい渡航制限が敷かれる中、コパ・リベルタドーレスとコパ・スダメリカーナの再開日およびW杯予選開始日を定めた南米サッカー連盟は、試合のためにチームが他国に移動する際の衛生ガイドラインを作成した。

 アウェイチームを入国から出国まで完全に隔離することを「カプセル化」と称し、このガイドラインに従うことで外国人の短期滞在を許可する特別措置の承認を得るため、8月6日から各国のサッカー協会を通してそれぞれの行政機関からの返答を待った結果、タイムリミットの25日までに全10カ国が承諾。現時点でスケジュールが決まっているすべての試合が予定通り開催可能となった。

感染拡大阻止に向けた方策

 その衛生ガイドラインで定められている内容を簡単に説明すると、次のようになる。

・アウェイチームが試合のため他国に滞在できる期間は最長で72時間
・滞在中のチームとしての活動は練習と試合のみに限定
・入国前から出国後まで、チームの一行は外部との接触を一切断つ

 この他、PCR検査の義務化や移動時、試合当日の衛生対策などについても詳細が定められている。 

 最終的には承認を得られたものの、この特別措置については当初、一部の国が難色を示した。

 ガイドラインが発表された直後から「感染の可能性がゼロという保証はない」と否定的な見解を明らかにしたウルグアイ政府の場合、国家スポーツ省のパブロ・フェラーリ副事務局長が「どの国のチームもウルグアイ入国直後にPCR検査を行ってから7日間の隔離が必要」と語るなど、各国が次々と承諾する中でなかなか否認の姿勢を崩さなかった。

 南米の中で最も早く、効果的に感染拡大の抑制に成功しており、新型コロナウイルスによる100万人当たりの死者数は8月25日現在で12人。ロックダウンを行わず自粛だけで乗り越えた政策が世界的にも高く評価されているだけに、特別措置については他のどの国よりも慎重だった。

 政府が衛生ガイドラインを承認しない場合、その国のチームはホームスタジアムで試合を開催することが不可能となる。

 そのケースを想定し、ウルグアイからコパ・リベルタドーレスに参加しているペニャロールは、ホームゲームにブラジルのインテルナシオナウのスタジアムを使用する意向を南米サッカー連盟に知らせていたが、結果的にはウルグアイ独自の条件を設けることで承認に至った。

ウルグアイは対策を徹底

 ウルグアイ政府から南米サッカー連盟に提示された条件とは「アウェイチームの入国直後のPCR検査実施」と「アウェイチームの宿泊は首都モンテビデオ市内ではなく郊外の空港近郊のみ」の2つ。また、同国から参加するチームには帰国後7日間の隔離が強いられることも明らかになっている。

 公衆衛生庁のダニエル・サリーナス大臣は「規律から逸れるケースが1つでもあったら容赦しない」と厳しい態度を見せ、自国チームの帰国時に検査を徹底させることなどを強調した。

 アルゼンチンも承諾までに時間がかかったが、ウルグアイとは異なり国内の新規感染者数が日に日に増加する中で国際試合を開催するにあたり、ロジスティック面の調整に手間取ったことが理由だ。

 「72時間のカプセル化」を実現するためには、これまでサッカー活動再開のために中心となって動いてきた観光・スポーツ省と保健省の他、運輸省との連携も必須となる。一時は受け入れ体制を整える準備が間に合わないと見られたものの、南米サッカー連盟が決めた返答期限までに何とか間に合う形となった。

 既述の通り、この衛生ガイドラインは10月から始まるW杯予選にも適用されることになっている。


Photo: Getty Images

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Profile

Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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