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名門の黄金世代が詰まった“ゴールデン・ユベントス”

2018.09.12

至高のチームをWCCFで再現!私のベストイレブン


15周年の節目を迎えたWCCF。醍醐味である国やクラブ、時代を超えた自分だけの“ドリームチーム”作りはもちろんのこと、自分が好きな国やクラブの選手を集めて最高のチームを作る“○○縛り”も楽しみ方の一つとして定着している。その長い歴史の間に積み重ねられてきた百花繚乱のカードを使って、一家言あるフットボリスタ執筆陣が選ぶ最高の○○チームを、ここに再現する。

#8 片野道郎さんが選ぶ至高のユベントス

 ユベントスはこの50年間で少なくとも4度の黄金時代を築いている。まず、ジョバンニ・トラパットーニ監督の下、10年間で7度のスクデットを獲得した1970年代後半から80年代前半。70年代はジエゴ・タルデッリ、ガエターノ・シレーア、クラウディオ・ジェンティーレ、アントニオ・カブリーニ、ディノ・ゾフといったイタリアの82年W杯優勝を支えた面々、外国人枠が復活した80年代はミシェル・プラティニという偉大なファンタジスタがチームの象徴だった。

 次が、90年代半ばから後半にかけて、3季連続でCLファイナリストとなった第一次マルチェロ・リッピ体制。まだ10代だったアレッサンドロ・デル・ピエロが、前年にバロンドールを獲ったばかりのロベルト・バッジョからポジションを奪い、ビアンコネーロ(ユベントスの愛称)の新たなシンボルとなった時代だ。

 続いて、ジャンルイジ・ブッフォン、リリアン・テュラム、パベル・ネドベド、ダビド・トレゼゲらを擁し5年間で4度のスクデットをピッチ上で勝ち獲った00年代前半。ファビオ・カペッロが監督を務めた04-05からの2シーズンは「カルチョポリ」スキャンダルへの関与でスクデットを剥奪されたが、トレゼゲとズラタン・イブラヒモビッチの2トップによるピッチ上の破壊的な強さは本物だった。

 そして最後は、スクデット7連覇を継続中の2010年代だ。

 本来ならばこの4つの黄金時代からバランス良く人選したいところだが、トラパットーニ時代はいささかレガシー過ぎるので涙を呑んで除外し、残る3つの時代を支えたメンバーの中から選考を進めてみた。

 筆者はユベンティーノではないが、サポーターの心情を察すると思い入れが強くなるのが、カルチョポリによるセリエB降格時(2006年夏)にもチームを離れず、クラブにとって近年最も困難な時期を支え続けたブッフォン、ネドベド、デル・ピエロ、トレゼゲ、そしてマウロ・カモラネージの5人。カモラネージは中盤の競合が激しかったため外したが、残る4人はメンバーに加えた。

 GKは、2001年から17シーズンにわたってゴールを守った、サッカー史上トップ3に入る偉大な守護神ブッフォンで文句なし。当初はプレッシャーと環境の変化に耐えられずギャンブル中毒やうつ病などメンタル面で深刻なトラブルを抱えながらもワールドクラスのパフォーマンスを維持し続け、それを克服してからは際立ったカリスマ性でチームを牽引する絶対的なリーダーとなった。

 最終ラインは、右SBにCBとしてもワールドクラスのリリアン・テュラム、左にはウイングとしてもプレーできる攻撃力を備えたジャンルカ・ザンブロッタを配した左右非対称の4バック。ビルドアップ時にはザンブロッタが中盤に上がり、ライン全体が左にスライドすることで3バックとなり、敵プレスに対し数的優位を作ってビルドアップするモダンな戦術の採用も可能になる。CBはパオロ・モンテーロとジョルジョ・キエッリーニの新旧武闘派コンビ。挨拶代わりに敵FWの足首を削るのは、70年代のクラウディオ・ジェンティーレから続くユーベDFの流儀である。

 中盤は、右サイドを起点に無尽蔵のスタミナを生かしてアナーキーに動き回り敵を混乱に陥れた末にゴールまで決めるネドベド、30歳を過ぎてミランから移籍し圧巻のゲームメイクで7連覇の礎を築いたアンドレア・ピルロ、そしてひたすら相手の攻撃を妨害し続ける破壊工作員エドガー・ダヴィッツという組み合わせ。ファンタジスタの華麗なプレーを勤勉な壊し屋が下支えするという構図は、長年このクラブのひな形であり続けてきた。


唯一の例外

 ユーベを支えたファンタジスタと言えば、プラティニに始まってロベルト・バッジョ、ジネディーヌ・ジダン、デル・ピエロという錚々たる名前が並ぶ。しかし10番を背負うトップ下には、今回選んだ中で唯一、上に挙げた4つの黄金時代のどこにも絡んでいないプレーヤー、ロベルト・バッジョを選びたい。ベルルスコーニのミランが全盛を極めた90年代前半、混迷するユベントスの中で一人際立った輝きを見せつけて93年のバロンドールを勝ち獲った当時のパフォーマンスは、近年ならばメッシのそれにもたとえ得るほどに異次元だった。

 最前線の2トップは3つの黄金時代にまたがる絶対的なシンボルであるデル・ピエロ、そして過去50年の歴代CF中最も多くのゴールを記録したトレゼゲ。

 全体としてはややアンバランスな顔ぶれだが、このチームをリッピでもカペッロでもなくマッシミリアーノ・アレグリに預ければ、全員の力を引き出しつつチームとしても噛み合う配置とタスクを編み出してくれるに違いない。

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 また、WCCFシリーズの新タイトル「WCCF FOOTISTA2019」でおトク要素が獲得可能になる予定の新要素「NEXT MISSION」がスタート! 来たるFOOTISTAの開幕にも備えてほしい。


■『WCCF』 基本情報

商品名 WORLD CLUB Champion Football 2017-2018 Ver.3.0
ジャンル スポーツカードゲーム
公式サイト http://www.wccf.jp/


全国のゲームセンター等で絶賛稼働中!


■WCCFで再現!私のベストイレブン
#1 頂点を極めた歴代ラ・ロハ以上!華麗なる”最光”スペイン代表
#2 取られた以上に取ればいい。破壊力なら宇宙一のセレソン
#3 「ポゼッション下手」よさらば。PK戦も心配無用のイングランド
#4 「10番が多いほど美しい」。「個」>「組織」がアルゼンチン
#5 W杯優勝98年組と現代表+α 華麗な“おたわむれ”レ・ブルー
#6 とにかく「1対1で勝つ」。懐かしの“ゲルマン”なドイツ代表
#7 ポゼッション100%も夢じゃない。ドリームチーム+ペップ・バルサ


Photos: Getty Images

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WCCFユベントス

Profile

片野 道郎

1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『チャンピオンズリーグ・クロニクル』、『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』『モウリーニョの流儀』。共著に『モダンサッカーの教科書』などがある。

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