REGULAR

3年目のJ1制覇へ。バランスの良い「獲得」と「売却」のサイクルを確立したゼルビアのチーム編成戦略の内実

2026.10.31

ゼルビア・チャレンジング・ストーリー 第40回

町田の名を全国へ、そして世界へ轟かせんとビジョンを掲げ邁進するFC町田ゼルビア。10年以上にわたりクラブを追い続け波瀾万丈の道のりを見届けてきた郡司聡が、その挑戦の記録を紡ぐ。

第40回では、今季ここまでわずか1敗という好調の一因となっているチームの編成戦略にフォーカス。J1で3年目を迎え、新たなフェーズを迎えた補強動向の意図をクラブの内情や関係者の言葉も踏まえて詳らかにする。

 相手をなぎ倒してでも進撃していく推進力は段違い。もともと肉体に搭載されているエンジンが一味も二味も違うのだろう。新加入でレギュラーポジションに定着している明本考浩の馬力とその持久力には度肝を抜かれる。

 例えば3-0で制したJ1第10節のアビスパ福岡戦は、相手のサイドチェンジをインターセプトし、前寛之によるチーム3点目につなげると、2分後には相手最終ラインの背後を一発で突くランニングから望月ヘンリー海輝のチーム3点目をアシストした。「チャンスの場面ではしっかりと走らなければならないし、そのためのパワーは常に残しています」と明本。一方で自身のゴールをアシストしてくれた明本に対して、望月は「アキさんが果敢に仕掛けてくれたからこそ、自分は自らの役割をまっとうすることに専念できました」と感謝した。もはや明本は、J1制覇を目指す黒田ゼルビアに必要不可欠な存在であることを印象付けている。

 黒田剛監督が開幕前に宣言した「J1優勝」に向けて、チーム編成を再整備してきた強化部にとって、表の目玉補強が小川航基ならば、裏のそれは明本に他ならない。目下、町田は公式戦でわずか1敗だが、唯一の敗戦試合は明本が出場停止だった柏レイソル戦。明本の出場した試合は無敗という事実も、彼の存在価値を高めている。

地盤が固まり「ピンポント補強」のフェーズに

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Profile

郡司 聡

編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、エルゴラッソ編集部を経てフリーに。定点観測チームである浦和レッズとFC町田ゼルビアを中心に取材し、『エルゴラッソ』や『サッカーダイジェスト』などに寄稿。町田を中心としたWebマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド)。マイフェイバリットチームは1995年から96年途中までのベンゲル・グランパス。

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