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「いいサッカーってなんなんやろ?」岐阜・石丸清隆監督が語るチーム作りの本質

2026.10.28

J2昇格に向けて上位争いを繰り広げるFC岐阜。昨年7月から指揮する石丸清隆監督がチーム作りを進めて1年以上が経過したが、選手の技量やチームが変貌しつつある。今回、石丸監督の頭のなかを覗かせてもらった。前編では「チーム作りの本質」をテーマに話を聞いた。

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反町康治監督の下での重要な学び

──インタビューの後編として、ここからはチームづくりについて伺っていきたいと思います。前編は、チーム戦術と個々の技術や個人戦術に齟齬がないように、技術の定義から選手個人を鍛えていく──という趣旨のお話でしたが、短いパスをつないでチームとしてスピードを生むという価値観を揃えると、その価値観に沿った選手が集まると自ずとチームができあがってくるという側面が一つ。もう一つ、プロとして試合に勝つためにはこういう信念が必要だというところから始めていく側面もあると思いました。後者のほうは松本山雅FC時代、反町康治さんのもとで学んだことも影響しているのではと思いますが、石丸監督の中ではどういう基準に沿ってチームづくりを進めているのでしょうか。

 「僕はどちらかというと、個人の部分をどうやってつなぎ合わせるか、ということしか考えていなかったんですよ。極論を言えば『ボールを獲られさえしなければ勝てるのでは』と思っていた。そういう考え方だったと思うんですけど、先ほど仰ったソリさん(反町)のところに行って、確かにそういうことだけじゃやっぱり勝てないんだな、ということは実感しました。ちょっと言い方は悪いかもしれないですけど、ソリさんのサッカーって、ほとんどボールを持つことはないけれども、昇格するんですよね。

 僕はソリさんが指揮を執っていたときの松本で一回J1に昇格しましたけど(2018シーズン、当時、石丸監督は参謀役のコーチ)、ああいう、隙がないチームが上がるんだ、と。『なるほど、巧いとかとかじゃなくて、そういうものを持ち合わせないとダメなんだな』と認識して、すごく勉強になりました」

──今シーズンの第7節では、それこそ90分間最後まで集中して隙がなかったAC長野パルセイロに敗れました。ロマンチシズムだけでなく、そういう長野のようなリアリズムも必要だと感じたのでしょうか。

 「それはありますね。僕らの仕事には色々求められるものがあるかもしれないですけど、でも勝たないと意味がない。監督業は何を求められるのかと言ったら、いいサッカーをしてくれという話じゃないと思っていて。クラブが『我々にはこういうサッカーがあります』と言ったら、それに対しての用意はしなければいけないけれど、要求が『昇格してください』『勝ってください』という話であれば、やっぱり勝たなきゃいけないと思うんですよ。だから『いいサッカーとは何か?』という話は、僕はあまりわからなくて。みなさんよく仰るけれど『いいサッカーってなんなんやろ?』と思うわけです。何を良しとするかは、突き詰めていけば、一人ひとりの感覚じゃないですか。それってすごく難しいな、って。だから僕らがいるところは厳しい世界なのかなと思うんです。クラブに『ポゼッション率何パーセントのサッカーがいいサッカー』というものが特にあるなら別ですが、そういうわけじゃないのであれば、自分のやりたいことと、勝つことは同時にやっていかないと、これはちょっと難しい仕事だな、と監督をする度に毎回思うんです。そういった意味でソリさんのやっていることは理に適っているというか。やっぱりチームを勝たせないと。あの時、松本のサポーターはとても喜んでいたんですよね」

どんなに巧くてもサッカーのベースの部分は不可欠

──反町さんとはサッカー観が異なっていたんですよね。

 「その通りです。ただ、立場的にはスタッフ全員が一緒で、まずはチームが勝たなきゃいけない。それに対して自分の役割はなんなのだろうと、やるべきことを考えていました。監督の考えを翻させて『オレはこういうサッカーをしたい』というのは僕らの仕事じゃないし、どうやって現状のチームをソリさんのサッカーで勝たせるのか、そこにみんなの意識が向かわないと、チームとしては機能しないと思うんです。だから、あのときの松本で『現実的な、こういうことも必要なんだな』と理解しましたね。まず、ベースのところですよね。この間の長野戦もそうですけど、走ったり、球際だったり、攻守の切り替えだったりというのはサッカーのベースの部分なので、そこを飛び越えて『パス回しが巧いよね』と言ったところで試合には勝てない。それも必要だし、それが両方わかった上でやっていかないと、チームとしてはいいものができあがらないのかな、と」

──戦術の前提にある根本のところも鍛えないといけない。

……

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後藤 勝

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