
ストライカー×チーム戦術のケーススタディ
FWの選手にも得点以外の様々な戦術的タスクが課されるようになった現代サッカー。ただ、それぞれが与えられる役割やその程度はチームの方針や個人の特徴によって変わってくる。チームの戦術の中でストライカーは何を求められプレーしているのか、明らかにしていく。
こんな調子が続けば彼の将来も潰えてしまう!
2018年11月、息子ラウタロがインテルで出場機会を得られないことに不満を抱いた父マリオ・マルティネスのツイートが話題となった。理由は、ルチャーノ・スパレッティ監督(当時)がイカルディの1トップを崩そうとしなかったこと。ボックス内での仕事に特化し、得点は良くも悪くも彼次第。ラウタロは他のポジションで良いところが出せず、長い間ベンチが定位置となっていた。
しかし、それも今や昔。コンテ監督が課したシステマチックな2トップ戦術と、味方の生かし方にも長けたルカクというパートナーを得たことで状況は一変した。2人合わせて公式戦で45ゴールを叩き出している強力な2トップの存在価値は得点にとどまらない。ゲームメイクに攻守の切り替え、そしてカウンターと、その動きはプレーのあらゆる局面で重要なものとなっているのだ。……
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Profile
神尾 光臣
1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。
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