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指導者は森保ジャパンをどう評価すればいい?「現象から原則を見つめる」作業の先にあるもの

2023.02.23

『森保JAPAN戦術レポート』発売記念企画#2

2月9日発売の『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』は、大ヒット作『アナリシス・アイ』の著者・らいかーると氏がアジア最終予選からカタールW杯本大会までの日本代表全試合を徹底分析しながら、森保ジャパン進化の軌跡と日本サッカーの現在地をたどっていく一冊だ。その刊行を記念して同じく指導者の脇真一郎氏に書評をお願いしてみた。

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 記憶に新しいカタールW杯でサムライブルーが躍動した日々。みなさんはグループステージにおいて世界屈指の強豪国であるドイツとスペインを破ったその姿に、どのような想いを抱いただろうか。そして決勝ラウンドではベスト8に届かなかった結果を、どのように受け止めただろうか。

 私自身、Twitterでのサッカー関係者を中心に発せられる反応をリアルタイムで観測していたが、森保一監督の采配、チームとしての戦術、個別の選手への想いと、実に様々な意見が飛び交っていたと記憶している。特に、自身と繋がりのあるサッカーの指導者や熱烈なサポーターは、大半が「日常的」にサッカーに触れている人たちで、日本サッカーへの希望や失望を語る声であふれていた。しかし、その多くはW杯での戦いに焦点化されたもの。そこに至る過程や、これから向かう先についてはあまり触れられていなかった印象だ。……

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Profile

脇 真一郎

1974年10月31日、和歌山県生まれ。同志社大学卒。和歌山県立海南高等学校でサッカーと出会って以降、顧問として指導に携わる。同県立粉河高等学校に異動後、主顧問として指導を続け7シーズン目となる。2018年5月に『フットボリスタ・ラボ』1期生として活動を開始して以降、“ゲームモデル作成推進隊長”として『footballista』での記事執筆やSNSを通じて様々な発信を行っている。Twitterアカウント:@rilakkumawacky

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