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最後の希望・原博実。大宮アルディージャ、育成型クラブへの覚悟

2023.02.05

Jクラブのキャンプを見た!#2

2月の開幕に向け、キャンプを張り着々と準備を進めているJクラブ。W杯の影響もあり、例年より長いオフを経て迎えたキャンプでのチームの仕上がり具合はどうなっているのか。現地で取材した番記者・ライターがレポートする。

 近年の大宮アルディージャ(以下、大宮)は、結果が出ず低迷している。2018年にJ1からJ2に戦う舞台を移し、2020シーズンが15位、2021シーズン16位、2022シーズン19位と、昇格争いどころかJ2残留争いを戦うシーズンが続く。

 さらに昨季は大なたが振るわれ、大宮アルディージャ全体の予算が大幅に削減された。

 フロントの動きも後手後手と言わざるを得ない。昨季の新体制発表で大幅な経費削減を明言するも、その金額は伏せられていた。しかし、シーズンが始まり芳しくない結果が続く中で行われた7月のサポーターズミーティングでは、クラブ全体の予算が約10億円規模の縮小であることが明らかになっている。

 大宮の2022シーズンは開幕から9戦未勝利。シーズン序盤で早々に雲行きが怪しくなった。攻撃が機能せず守備が崩壊し、9試合18失点。早くも霜田正浩監督交代の噂が流れるも、クラブが取った決断は、3月でJリーグの副チェアマンを退任したばかりの原博実のフットボール本部長就任だった。クラブを根底から改革すべく、フロントにメスを入れたのだ。

 業界をも賑わす人事は一時的なチームのカンフル剤だった。原が就任直後の千葉戦でシーズン初勝利を手にすると、就任後4戦3勝とチームは最悪の状況を脱する。最終的には19位でシーズンを終えてなんとかJ2残留を果たしていた。

 まもなく発表されるであろう2022年度のJクラブの経営収支で、大宮の選手人件費はJ2全体の10番目程度になることが予想される。昨季は予算がなく、大きな補強が難しかった。それでもCBの袴田祐太郎と右SBの岡庭愁人の2人がどんぴしゃでハマり、守備の安定が残留をもたらした。この2人が補強できていなかったらと思うとゾッとするようなシーズンだった。

 予算がない中での袴田と岡庭の2人のピンポイント補強は、原を含めた強化部の手腕が見事だった証左である。筆者はシーズン中の会見で原フットボール本部長に、何度もブラジル人FWの獲得について質問をしてしまったのだが、それはまったく見当外れな素人意見だった。まずは守備をきっちり整えることで勝ち点を稼いでいけることを原はわかっていたのだ。……

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大宮アルディージャ

Profile

池田 タツ

1980年、ニューヨーク生まれ。株式会社スクワッド、株式会社フロムワンを経て2016年に独立する。スポーツの文字コンテンツの編集、ライティング、生放送番組のプロデュース、制作、司会もする。湘南ベルマーレの水谷尚人社長との共著に『たのしめてるか。2016フロントの戦い』がある。

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