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キエフ→キーウならシェフチェンコはシェウチェンコ? 専門家でも難しいウクライナ語のカナ表記揺らぎ問題

2022.06.18

331日、外務省がウクライナのいくつかの地名の呼称を、ロシア語由来のものからウクライナ語に基づくものへ変更することを発表した。ロシア語由来の呼称が定着していた背景にあるウクライナとロシアの歴史的関係などについて、ロシア・東欧に明るい篠崎直也さんに解説してもらう。

※『フットボリスタ第90号』に加筆・修正し掲載

 ロシア軍の侵攻によって国内が壊滅状態となってしまったウクライナ。世界各国から支援の声が挙がる中で、欧米諸国はウクライナ政府の要請を受けて首都の呼称をロシア語由来のKievからウクライナ語読みのKyivに変更して連帯を示した。日本でもそれに続いてキエフをキーウと表記することを決定し、これにより名門ディナモ・キエフはディナモ・キーウと呼ばれることになった。

ディナモ・キエフ改めディナモ・キーウ(写真は4月、ドルトムントの親善試合でのもの)

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ウクライナ侵攻シャフタール・ドネツィクディナモ・キエフ

Profile

篠崎 直也

1976年、新潟県生まれ。大阪大学大学院でロシア芸術論を専攻し、現在は大阪大学、同志社大学で教鞭を執る。4年過ごした第2の故郷サンクトペテルブルクでゼニトの優勝を目にし辺境のサッカーの虜に。以後ロシア、ウクライナを中心に執筆・翻訳を手がけている。

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