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全部ニセ!マンチェスターダービー、シティのトータルフットボール2.0【ユナイテッド 0-2 シティ】

2021.11.08

プレミアリーグ開幕10試合を終えて、勝ち点17(5勝2分3敗)の5位ユナイテッドと勝ち点20(6勝2分2敗)の3位シティ。オールドトラッフォードで行われた今季マンチェスターダービー第1ラウンドは、前半で2点を先取したアウェイ陣営に軍配が上がった。ボール支配率32.6%対67.4%、シュート本数5対16(枠内1対5)、パス本数400対832、後半のユナイテッドは敵陣ペナルティエリア内でボールタッチ数0……ペップ・グアルディオラ監督のチームが完勝した一戦を西部謙司氏が振り返る。

デジタルとアナログ

 マンチェスター・シティのCFは“いちおう”ベルナルド・シルバだった。もちろん「偽9番」だ。

 カイル・ウォーカーとジョアン・カンセロは偽サイドバックである。実質的にこの2人がプレーメイカーだった。ケビン・デ・ブルイネは偽8番か偽10番かよくわからないが、どこにでもいた。イルカイ・ギュンドアンも同様。ポジションが決まっているのはアンカーのロドリ、CBのルーベン・ディアス、ジョン・ストーンズ、左ウイングのフィル・フォデンぐらい。GKエデルソンも入れておこう。GKが定位置にいるのは当たり前だが、シティならそのうち偽GKだってやりかねない。

 とにかく偽だらけ。「偽」というとイメージが良くないけれども、「トータルフットボール」というとカッコよくなるかもしれない。……

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マンチェスター・シティマンチェスター・ユナイテッドマンチェスターダービーレビュー

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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