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「アーノルドのIH化」と「エリオットのWG化」。覇権奪還を期すリバプールの新機軸

2021.08.30

8月28日のチェルシー戦は惜しくも1-1に終わったものの、プレミアリーグ開幕3戦を2勝1分と良好な滑り出しを見せたリバプール。マンチェスター・シティに独走を許し、王座から3位に転落した昨シーズンを経て、クロップ体制7年目を迎えたレッズの逆襲に期待だ。積極補強を敢行するライバル勢に対し、継続路線で臨むチームの現状、3試合で見えた新たな手法や課題を、LFCサポーターの“情報”と“情熱”が集う場所『リバプールFCラボ』で戦術班を担うトリコレッズさんに分析してもらった。

 CB陣の相次ぐ長期離脱、声援の消えた“要塞”アンフィールドでの連敗、若手の躍動、守護神の奇跡の一撃、そしてCL権奪取――。ジェットコースターのような20-21シーズンをプレミアリーグ3位で切り抜けたリバプールは、他チームの絢爛豪華な補強と比べると(現時点では)静かなオフを経て、新シーズンに乗り込んだ。

 開幕3試合はノリッジ(○0-3)、バーンリー(○2-0)、そしてチェルシー(△1-1)を相手に2勝1分、6得点1失点。これは(10人のチェルシー相手に引き分けたという事実もあるが)上々の立ち上がりと言えるだろう。

 ここでは、開幕3試合で見えてきた戦術的特徴をもとに、新シーズンのリバプールを読み解いていきたいと思う。

戻ってきたCBの配球力

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チェルシーリバプールレビュー

Profile

トリコレッズ

LFCラボライター・戦術班所属。2005年、「イスタンブールの奇跡」でリバプールファンに。少年サッカー時代にCBだったこともあり、CBの選手を偏愛している。Jリーグでは横浜F・マリノスのサポーター。

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