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福山シティに見る、ゲームモデルをめぐる対話【小谷野拓夢×五百蔵容(後編)】

2021.03.03

昨年の天皇杯でジャイアントキリングを連発し、6部クラブながら準々決勝進出の快挙を達成した福山シティ。その準々決勝のブラウブリッツ秋田戦で見せたパフォーマンスに、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の著者である五百蔵容氏が感銘を受けたことから、指揮官の小谷野拓夢監督との対談が実現。

後編では、23歳の指揮官が導入しているという戦術的ピリオダイゼーションのゲームモデルをどう現場でワークさせているのかについて掘り下げていく。

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「ゲームモデル=スタイル」ではない

──ではここからは、そのゲームモデルについて具体的に掘り下げていきましょう。福山のゲームモデルでは、局面をどういう形で分解しているのでしょうか?

小谷野「攻撃は『ビルドアップ』と『崩し』に分けています。GKが参加できるゾーン1内でのボール保持を『ビルドアップ』、ゾーン2・3での攻撃を『崩し』と呼んでいます。ゾーン2とゾーン3を分割して考えることが一般的ではありますけど、部分最適から全体最適という考え方をしているので、自分たちはゾーン2からゾーン3へのボールが移った時の攻撃は早いんですね。だから、そこをまとめて『崩し』と呼んでいます。

 守備も裏表で、『相手のビルドアップに対しての守備』と『相手の崩しに対する守備』に分けていて、ポジティブトランジションはボールを奪って『カウンターに転じるトランジション』と、『ポゼッションを回復するトランジション』の2つ。ネガティブトランジションは『カウンタープレス』でボールをすぐに回収する時と、相手がカウンターしてくる時に対しての『リトリート』という分け方をしています。難しい原則は立てていません」……

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戦術福山シティFC

Profile

浅野 賀一

1980年、北海道釧路市生まれ。3年半のサラリーマン生活を経て、2005年からフリーランス活動を開始。2006年10月から海外サッカー専門誌『footballista』の創刊メンバーとして加わり、2015年8月から編集長を務める。西部謙司氏との共著に『戦術に関してはこの本が最高峰』(東邦出版)がある。