
地元紙から表彰され、ドキュメンタリー番組も放映されるなど順風満帆なカシージャスに対し、カタルーニャ3部のチームを率いるビクトル・バルデスはトラブルメーカーに。引退後のキャリアは明暗がはっきりと分かれることになった。
スペイン代表が優勝した2010年W杯とEURO2012で正GKだったイケル・カシージャスと、控えGKだったビクトル・バルデス。この2人が今、明暗の分かれた対照的な道を歩いている。
チーム内の空気は最悪
カシージャスは12月3日にスポーツ紙『アス』から選手時代の功労を称えられ、テニス選手のラファ・ナダルとともに表彰されたばかり。先月末からはサッカー放映権を握る有料チャンネルで彼を主役にしたドキュメンタリーシリーズがスタートした。
2014-15シーズン限りでレアル・マドリーを離れ、新天地ポルトでの2019年5月の心臓発作をきっかけに現役を引退。現在はその好感度の高さもあって、あちこちのイベントから引っ張りだこで、コメンテーターとしてのデビューも間近だとされている。
『アス』紙の表彰式では「コーチライセンスは取得するつもりだが、向いていないので監督はしない」と言っていたが、その監督業で悪戦苦闘を続けているのが代表の元同僚だったバルデスだ。……
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。