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アルビレックス新潟に勃発した右サイドバックのポジション争い。地元出身の早川史哉と関口正大がビッグスワンで見せたい雄姿

2026.09.23

大白鳥のロンド 第38回

9月15日。6シーズンに渡ってアルビレックス新潟を支えてきた、藤原奏哉のガンバ大阪への完全移籍が発表された。これにより、チームはV・ファーレン長崎から関口正大を緊急補強。藤原が務めていた右サイドバックの定位置は、ともに新潟市西区出身の関口と早川史哉が争うことになる。

藤原奏哉の移籍に伴う右サイドバック争いのリスタート

 右サイドバックのポジション争いが、リスタートした。

 2021年にアルビレックス新潟に加入して以来、6シーズンに渡って定位置をほぼ譲らなかった藤原奏哉が、ガンバ大阪へ移籍したためだ。移籍の発表は9月15日。その数日前には話が進んでおり、13日に行われた明治安田J2リーグ第6節・モンテディオ山形戦は、先発で早川史哉、途中交代で星雄次が右SBを務めた。

 万能型プレーヤー2人の活躍により、試合は1−0で完封勝利を収めている。本職の右SBとしては、プロ4年目の森璃太と、プロ1年目の松岡敏也が在籍しているが、ともに負傷離脱中という状況だった。

本職右SBの森璃太と松岡敏也。怪我からの復帰が待たれる(Photo: Keiko Nomoto)

 藤原の移籍に伴い、船越優蔵監督は「奏哉以上の選手を」と、即戦力の獲得を強化部にリクエスト。16日、J1のV・ファーレン長崎から、関口正大を完全移籍で獲得したことが発表された。関口は、合流3日目の19日に行われたJ2第7節・ジュビロ磐田戦で、早速ベンチ入りを果たすと、81分に出場。1失点はしたものの、2-1での勝利に貢献した。

 昨季はJ1でデュエル勝利数2位という記録を残し、百年構想リーグでは主将も務めた藤原は、オールスター戦でもJ2・J3フィールドプレーヤー最多得票数を集めるほど、サポーターに支持された存在だった。

JリーグオールスターDAZNカップでのアルビレックス新潟勢。後列左から2番目が早川史哉、同列左から3番目が藤原奏哉

 その藤原が不在でも、ホームで2連勝できたこと。それも、チャンスを得た選手たちが、それぞれの持ち味を発揮して、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた一戦は、これからの新潟に期待を抱かせてくれるには十分だった。

 当面、右SBの先発を競うと予想されるのは、早川と関口。新潟市西区出身という共通点を持つ2人に注目してみたい。

プロ9年目の32歳。早川史哉の新たな挑戦

 近年の早川は主にCBを主戦場としてきたが、百年構想リーグでは、主に左右のサイドハーフとして途中出場。5バックのWBを抑えて、試合を締める役割を担ってきた。今季はキャンプから、主に右SBとして起用されている。

 右SBでプレーする際の持ち味は、守備を安定させた上で、先手を取って前に出ていくプレーだ。たとえば、連動したプレスからのインターセプトや、背後でパスを引き出してから上げる正確なクロス。J2第6節・山形戦でも、1点モノのクロスをFWに届けており、第7節・磐田戦では、シマブクカズヨシへとぴったり合わせたサイドチェンジのパスがスイッチとなり、決勝点が生まれている。

 「試合を経験するほど、あのポジションから見える景色にだいぶ目が慣れて、一手先を読む余裕が出てきた。守備面では、何手先も読めるので、そういう部分で自分の良さは出せると思います」。早川の戦術眼は、研ぎ澄まされていく。

 これまでも右SBを務めたことはあったが、パフォーマンスに波があった。その要因は、早川自身、守備のセオリーを持っているからでもある。「僕がCBなら、最終的に、真ん中にボールが来ても大丈夫なように準備したいという守備観のようなものがある。だからSBを1人で戦わせるような状況にはしたくない。サイドで1対1になるにしても、縦を切らせて中をケアするのか、縦に行かせてクロスの準備をするのかを指示して、意図的に守りたい」。

 最悪、1人で何とかしなければならない局面もあるが、より確実に、組織として守るための逆算を、常にしている。だからこそ、チームとして、あるいはGKやCBとして、どう守りたいかがはっきりとしているときは、そのタスクを精度高く果たすことができる。

ライバル登場にもベクトルを向けるのは自分自身

……

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Profile

野本 桂子

新潟生まれ新潟育ち。新潟の魅力を発信する仕事を志し、広告代理店の企画営業、地元情報誌の編集長などを経て、2011年からフリーランス編集者・ライターに。同年からアルビレックス新潟の取材を開始。16年から「エル・ゴラッソ」新潟担当記者を務める。新潟を舞台にしたサッカー小説『サムシングオレンジ』(藤田雅史著/新潟日報社刊/サッカー本大賞2022読者賞受賞)編集担当。現在はアルビレックス新潟のオフィシャルライターとして、クラブ公式有料サイト「モバイルアルビレックスZ」にて、週イチコラム「アイノモト」連載中。

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