REGULAR

アジア制覇は“約束されたストーリー”。ゼルビア・中山雄太は高揚感を胸にACLEファイナルズへ挑む

2026.04.17

ゼルビア・チャレンジング・ストーリー 第35回

町田の名を全国へ、そして世界へ轟かせんとビジョンを掲げ邁進するFC町田ゼルビア。10年以上にわたりクラブを追い続け波瀾万丈の道のりを見届けてきた郡司聡が、その挑戦の記録を紡ぐ。

第35回では、いよいよACLエリート(ACLE)のファイナルズへ挑むチームのキーマン、中山雄太にフォーカス。世界的な名手たちとの対戦も望むところ。強豪との対決を「単純に楽しみ」と語るメンタリティで、チームを大会初挑戦・初制覇の偉業へと牽引する。

 90+5分、垣田裕暉のヘディングシュートがゴールの枠を外れると、上村篤史主審のホイッスルがスタジアム中に鳴り響いた。J1百年構想リーグ第10節・柏レイソル戦のスコアは黒田剛監督が最も好む1-0。町田はACLエリートファイナルズ直前の公式戦をクリーンシート勝利で制した。

 柏戦後、町田GIONスタジアムで壮行会が催されると、チーム主将の昌子源は「優勝したい一心です」と“優勝宣言”。いよいよクラブにとって、一世一代の大勝負が目前に迫っていた。

 チームは2節前のFC東京戦で0-3の完敗を喫していたが、以降の2試合はクリーンシートで守備面の復調を印象づけた。「僕が最終ラインに入らないと後ろは安定しない」。そう自負する中山は0-3の完敗だったFC東京戦こそ散々な出来だったが、ボランチから3バックの一角にポジションが戻った以降の2試合は、徹底したラインコントロールを軸にチームのゲームコントロール力を引き上げた。

 柏がハイプレスに来れば、最前線のテテ・イェンギを生かした相手を裏返すロングボールを多用し、相手が前からプレッシャーをかけに来なければ、最終ライン手前のスペースを有効活用する。そうして柏のプレスワークを無力化すると、中山は機を見たボールキャリーや、ボックス付近への攻撃参加で相手ゴールを脅かした。

「とてもやりづらい選手」。柏・小泉の中山評

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Profile

郡司 聡

編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、エルゴラッソ編集部を経てフリーに。定点観測チームである浦和レッズとFC町田ゼルビアを中心に取材し、『エルゴラッソ』や『サッカーダイジェスト』などに寄稿。町田を中心としたWebマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド)。マイフェイバリットチームは1995年から96年途中までのベンゲル・グランパス。

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