REGULAR

「内容と結果のズレ」はさらなる成長への生みの苦しみ。開幕5戦4敗の柏レイソルが苦境を脱するための明確な糸口とは

2026.03.12

太陽黄焔章 第34回

昨季はJ1で優勝争いを演じた柏レイソルが、苦しんでいる。百年構想リーグは開幕5試合を終えた時点で、1勝4敗という結果に。特に序盤は離脱者続出というエクスキューズもあったとはいえ、ここまでの不調は想定外だったに違いない。ただ、この状況を抜け出すための糸口は、明確に見えている。おなじみの鈴木潤が、それをはっきりと指摘していく。

離脱者続出。5試合で4敗という開幕からの苦戦

 「試合のスタートから、継続して我々が試合を支配し、我々が目指す通りの攻撃的なサッカーを表現することができていた。前半3分から決定的なチャンスを作り、そこからも複数の決定的なチャンスを作れていた。それをゴールにつなげることができなかったことが、負けた一つの要因」

 17年ぶりにJ1での対戦となった千葉ダービー。柏レイソルは1-2でジェフユナイテッド千葉に敗れた。

 冒頭のコメントは試合後、リカルド・ロドリゲス監督が記者会見で発した言葉である。

 ここまで百年構想リーグの5試合を戦い、挙げた白星はわずか1勝。昨季はシーズンを通じて5敗しかしなかったチームが、今季はすでに4敗を喫しているのだ。

 もちろん、苦戦の背景には離脱者が多発したというやむを得ない事情もあった。特に第2節の東京ヴェルディ戦では、ケガ人や体調不良者による離脱が14人にも上った。続く鹿島アントラーズ戦では数人が復帰したとはいえ、コンディションが万全だったとは言い難かった。

 これほど多くの選手が離脱すれば、単に試合で起用できる選手が限られるだけでは済まない。その週のトレーニングでは対戦相手を想定した紅白戦すら十分に行えない。その時点で最善の準備はしてきただろうが、チームとして理想的な1週間を過ごせていたわけではなかった。

リカルド・ロドリゲス監督

深刻な決定力不足と脆弱なセットプレー守備という課題

 ただし、不振の原因をそこだけに求めることはできない。苦境に喘ぐもっとも大きな原因は、深刻な決定力不足と脆弱なセットプレー守備にあるからだ。

 第4節のFC東京戦では、昨季の柏らしさがよみがえった。攻守両面で主導権を握り、PK戦勝利を含めて開幕3連勝と好調だったFC東京を下して、今季初勝利を挙げた。ここから上昇気流に乗るかと思われたが、千葉戦では再び同じ課題を露呈してしまった。つまり、冒頭のリカルド監督の言葉は決して大げさではなく、むしろ今季の柏をそのまま言い表したものだと言える。

……

残り:2,577文字/全文:3,596文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

Profile

鈴木 潤

2002年のフリーライター転身後、03年から柏レイソルと国内育成年代の取材を開始。サッカー専門誌を中心に寄稿する傍ら、現在は柏レイソルのオフィシャル刊行物の執筆も手がける。14年には自身の責任編集によるウェブマガジン『柏フットボールジャーナル』を立ち上げ、日々の取材で得た情報を発信中。酒井宏樹選手の著書『リセットする力』(KADOKAWA)編集協力。

RANKING