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【短期集中連載】名鑑から妄想するtkq的W杯プレビューG組&H組:最強ブラジルに足りないのは「都市伝説」の回避方法?

2022.11.18

 ラストまで来ました!最後までイタリアが出てこなかったのが不思議ですが、開幕までになんとか間に合いましたね。長々とお付き合いいただきありがとうございました。感想はどうでしょうか。最後まで読んで1ミリも勉強にならなかったら、私の勝ちですね。さて、プレビューを終えたら、あとは見るだけです。4年に1度の最高の1か月を楽しみましょう!!ちなみに、レビューはしません!

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グループG

〇ブラジル

 南米予選を14勝3分という余裕綽々の成績で突破し、久々に優勝の予感が漂っていますが、それも納得できるメンバーのブラジルです。GKアリソンは鉄壁で、控えにエデルソンがいる豪華布陣。DFはチアゴ・シウバ、マルキーニョス、ミリトンなど強力極まりない面子が中心。中盤もカゼミロ、フレッジ、ファビーニョとビッグクラブ所属が名を連ねています。そして、アタッカー陣は本当に豪華。ネイマールはもちろん、ビニシウス、ロドリゴ、ガブリエウ・ジェズス、ラフィーニャ、アントニー、リシャーリソン、マルチネッリと誰が出ても3点くらいは取れそうですよね。これでフィルミーノが代表から外れたというのだから恐ろしい話です。よかったらW杯期間だけでもジェフに貸してくれませんか。

 日本戦でもそうでしたが、ネイマールがフリーマン気味となって自由にボールを引き出す攻撃は変幻自在で、どこが相手でも幻惑できそうです。また、前線からの守備も強烈。ヨーロッパ所属の選手の切り替えの速さは半端ではなく、日本もほとんど封殺と言っていいほど自陣に釘付けにされました。

 こりゃ、2002年以来の戴冠も固いのでは?と思いたくもなるのですが、ちょっと待ってください。前途洋々の時のブラジル代表はコケる、前評判が高ければ高いほど危ういというサッカー界の都市伝説があるのです。それならば、逆に大会前に評判を落とすような、不吉なことをすれば優勝できるのではないでしょうか?「目の前に黒猫の大群を通らせる」「全員の靴ひもが切れる」「雛人形を3年間しまわない」「部屋番号が全部13」「永久北枕」などの縁起の悪いことをしていくと、運気がいい感じに落ち着くはずです。ぜひやりましょう。ちなみにまったく関係ありませんが、ブラジルの石野卓球ことガブリエウ・ジェズスの名鑑に載っている写真の顔が、過去最高クラスに困り顔なのでぜひご覧ください。カレーを途中まで作ってたのにカレー粉買い忘れてたくらい困ってます。

〇スイス

 なんかブラジルと同じ組に入ってること多くない?って思ったら、ロシアW杯でも同じ組でした。2大会連続ブラジルと同じ組、めちゃくちゃ嫌ですね。せっかく進学したのにジャイアンが同じクラスにいる感じです。EUROでは優勝候補フランスに3-1とリードされながら、終了間際に追いついてPK戦に持ち込んで勝利。火事場のアルプス力を発揮しました。

 そのEURO終了後、長年監督を務めたペトコビッチが退任。後任は元代表選手のムラト・ヤキン。ヤキン兄弟の兄か弟です。どっちだったかは覚えていませんが、就任以来予選を無敗で駆け抜けて出場を決めました。今大会もその時のメンバーが中心ですが、なかなかに強力なチームとなっています。お馴染みのアカンジ、ロドリゲスなどがDFラインには名を連ね、中盤中央はジャカとフロイラーの鉄板コンビ。そしてトップ下だったシャキリは右にポジションを移しましたが、ハマっているようです。代わりのトップ下に入ったジブリル・ソウは存じ上げない選手ですが、長谷部と同じフランクフルトなのでなんか整えてくれるでしょう。トップはビックリ箱エンボロとセフェロビッチで若干弱いですが、まあEUROでもそうだったのでなんとかなるんじゃないでしょうか。

 不安材料は、GKです。EUROでシュートを止めまくってフランス撃破の立役者となった正守護神ヤン・ゾマーが足首の負傷中。オムリンもケガを抱えているため、念のためということで今回は4人のGKを選出しています。これも26人に選手枠が増えたことによる選択肢の1つですね。こういうスイスのやり方を見ると、他の国ももっと自由に26人枠を使ってほしかった気もします。余った枠に子猫を入れてベンチにセラピー効果をもたらした方が結果がよくなるなんてこともあるかもしれませんので、次回以降のW杯では各国は26人枠を用法・用量を守って工夫してお使いください。次も26人枠なのかは知りませんが。

〇セルビア

 ストイコビッチさんが監督になっていたことをすっかり忘れていました。そういえば去年の6月に日本で親善試合をしていて、その時にはもう代わっていたのですが、光陰矢の如しですね。前回のW杯ではグループステージ敗退でしたが、その時の組み合わせはやはりブラジル、スイスと同じでした。え!!?そんなことあるの?これはFIFAの陰謀なのでは??と一瞬FBIに連絡を取ろうとしましたが、同じ組み合わせだろうが誰も得をしていないのでやめておきました。セルビアとしてはせっかく進学したのにジャイアンとスネ夫が同じクラスの感覚ですが、公正なくじ引きの結果なので仕方ありません。

 さて、そんなセルビアですが、ピクシーが若手の登用を行ったので、フレッシュなメンバーが揃っています。おかげで3バックは控えも含めて誰も知らない選手でした。誰ですか、バビッチって。ただ、中盤から前は著名選手が多いです。左サイドのコスティッチはユベントスですし、世界フルネームで名前を呼びたい選手第3位のセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチはラツィオで活躍中。トップ下のタディッチも長くアヤックスで活躍するベテランテクニシャンです。そして、このチーム最大の売りは2トップですよね。パワー、スピード、高さを備えたブラホビッチはユベントス所属の強力FW。その相棒のミトロビッチもフルアムに所属し、昨年イングランドチャンピオンシップで43点取ってる(今年もプレミアで9点)パワー系大型FWでダブルエース状態。大会全体を見渡しても、ここまでの強力大型FWコンビを揃えているチームはないんじゃないでしょうか。このVM砲に加えて192㎝のサビッチがコスティッチのクロスに飛び込んでくる攻撃、もはや暴力と言っていいのではないでしょうか。

 また、名鑑を見ていて気付いたのですが、GKとしてメンバーに選ばれたライコビッチ、バニャ・ミリンコビッチ・サビッチ、ドミトロビッチが全員とも坊主またはスキンヘッドでほとんど区別がつきません。本大会でも注目したいと思います。

〇カメルーン

 カメルーン!!カメルーン!?ここまできてなんなのですが、アフリカから出場するチームをまったく把握してなかったことに気づきました。本当に申し訳ないのですが、アフリカの人もたぶんアジアの出場国なんか把握してないのでここは痛み分けということにしましょう。そういえば2020年の秋に日本と親善試合を行っていますが、ほとんど覚えていません。

 監督はあのかつての代表レジェンドであるリゴベル・ソングです。相変わらずドレッドで、ラスタな見た目をしていますね。フリーダムなアフリカ諸国の中でも、W杯でのカメルーンは強烈な個人能力を生かしてノリでサッカーをやっている印象があるんですが、今回はどうなんでしょうか。GKのオナナはインテルの守護神、中盤のアンギサはめちゃくちゃ高性能、アタッカーもリヨンのトコ・エカンビやバイエルンのシュポ・モディング、2010年大会から名を連ねるアブバカルがいて破壊力は高そうです。波に乗ったらブラジルとかともけっこうやれるんじゃないですかね。

 そんなカメルーンですが、今回は大会最難読ネームをメンバーに選んできました。それは、マルセイユ所属のGKシモン・ヌガパンドゥエトゥンブ(Simon NGAPANDOUETNBU)です!どうですか、このカタカナにした時点ですべてが間違っていそうな感じ、たまらないですよね。ただ、ヌガパンドゥエトゥンブはまだ19歳なので、基本的には第3GKという立場で出場の可能性はそんなになさそうです。カメルーン戦をAbemaで担当する大西洋平アナ、高野純一アナは胸を撫で下ろしているのではないでしょうか。もしヌガパンドゥエトゥンブがブラジル戦とかで出場してきて好セーブを連発したら名前を連呼せざるを得ず、それはそれで見てみたいですね。滑舌の向こう側へ、旅をしましょう!それと、ヌガパンドゥエトゥンブって書くと文字数を稼げるので、読書感想文とかレポートで乱用するのもおススメです。

グループH

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Profile

tkq

世界ロングボール学会(WLBS)日本支部正会員。Jリーグの始まりとともに自我が芽生え、カントナキックとファウラーの薬物吸引パフォーマンスに魅了されて海外サッカーも見るように。たぶん前世でものすごく悪いことをしたので(魔女を10人くらい教会に引き渡したとか)、応援しているチームがJ2に約10年間幽閉されています。一晩パブで飲み明かした酔っ払いが明け方にレシートの裏に書いた詩のような文章を生み出そうと日々努力中です。【note】https://note.mu/tkq

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