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コロナ禍の中でナーゲルスマンが犯した失敗…特殊なシーズンを振り返る

2020.07.09

 6月27日のブンデスリーガ最終節にアウクスブルクに勝利し、今季を3位で終えたRBライプツィヒ。この試合の前日記者会見では、ユリアン・ナーゲルスマン監督が今季の総括を行っている。今季の成績に「満足している」という指揮官は、同時に自身を含むコーチ陣のミスも認めた。6月26日の地元メディア『RBライブ』が報じた。

得失点はリーグ2位、引き分けはリーグ最多タイ

 ナーゲルスマンがブンデスリーガのチームを率いて以来、彼のチームは引き分けが多い。ホッフェンハイムの3シーズンでは、4位になった16-17シーズンは「14」でリーグ最多。3位となった17-18シーズンは「10」で6位タイ。9位に終わった18-19シーズンは「12」でリーグ最多タイとなった。

 この傾向はライプツィヒに来ても変わらない。引き分け数「12」は今季のリーグでも最多タイ。81得点(リーグ3位)、37失点(リーグ2位)で得失点差「+44」(リーグ2位)と数字を残しながら、終盤も下位を相手に勝ち点を拾い切れない試合が続いた。

 「試合中のスコアを並べてみると、少しチームの落ち着きがなかったと感じている」と実感を述べ、「わずか4敗しかしていないが、もっとたくさん負けているような気がする」と勝ちきれない試合を嘆いた。UEFAチャンピオンズリーグ出場がノルマとなるライプツィヒでは、ホッフェンハイム時代に比べてプレッシャーが大きくなっていることも認めた。

コロナ禍で手探りの中、起きたミス

 「自分たちコーチ陣も選手たちもミスを犯した。とはいえ、失敗することなくシーズンを終える人間はいないから、普通のことだ」とナーゲルスマンは今季を振り返る。とりわけ、これまで誰も経験したことのない新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大でリーグ戦が中断したこともあり、仕事はより難しいものとなったようだ。

 「選手たちをイライラさせないようにしながら、戦術的な内容を伝えるために監督がどの程度まで介入すべきか、自分たちコーチ陣には分からなかったんだ」とナーゲルスマンは説明する。

 以前紹介したように、コロナ禍の中断期間の間、選手たちの中にはうつ病傾向を示すケースも増えており、通常とは異なる特殊な状態の中でストレスを把握することは容易ではなかったようだ。

 「今になって思えば、あまりに選手たちを守ろうとしすぎたのかもしれない。中断前に比べてビデオ分析が少なすぎた。選手たちに精神的な余裕を持たせたかったからね」と背景を明かすと、「中断前ほど、選手のメンタルに負荷をかける(ビデオ分析の)ような極端に理論的な作業はしなかった。この点は、これから修正したい小さなミスとして挙げたい」と来季の課題を挙げた。

選手たちへのリスペクトも忘れず

 今季は前期を11勝4分2敗の首位で折り返し、“秋の王者”となった。しかし後期は7勝8分2敗と失速し、バイエルン、ドルトムントに抜かれて3位で終わった。だが、2年連続でCL出場を達成した選手たちへのリスペクトも忘れない。

 「CL出場権の獲得というノルマは、クラブにとって“自明のこと”となりつつある。しかし、選手たちがそれを毎年達成するのは並大抵のことではない。だから今季の成績も良いものだったと思う」とシーズンの最後はともに戦った選手たちをねぎらった。


Photo: Getty Images

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RBライプツィヒユリアン・ナーゲルスマン

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。